セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓-自己免疫性膵炎 |
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タイトル | 消P-527:自己免疫性膵炎における再燃抑制の観点からみたステロイド治療の意義 |
演者 | 小泉 一也(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科) |
共同演者 | 丹野 誠志(琴似ロイヤル病院・消化器病センター), 西川 智哉(旭川赤十字病院・消化器内科), 河本 徹(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 杉山 祥晃(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 笹島 順平(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 藤永 明裕(旭川厚生病院・消化器科), 後藤 拓磨(旭川厚生病院・消化器科), 柳川 伸幸(旭川厚生病院・消化器科), 中村 和正(市立旭川病院・消化器病センター), 千葉 篤(市立旭川病院・消化器病センター), 中野 靖弘(富良野協会病院・消化器内科), 藤井 常志(旭川赤十字病院・消化器内科), 水上 裕輔(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 高後 裕(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科) |
抄録 | 【目的】自己免疫性膵炎(AIP)の長期予後において、特に再燃抑制の観点からステロイド治療が及ぼす影響について検討を行った。【対象と方法】当科および関連施設において1年以上の経過観察が可能であった48例(男性34例、女性14例、年齢中央値62歳、観察期間中央値39ヶ月)を対象とした。検討項目は1)再燃と血液項目および膵外病変の関連2)ステロイド治療の有無による再燃および寛解導入後のステロイド中止例における再燃である。【結果】1)再燃は16例(33.3%)であった。再燃例と非再燃例では、血液項目において差を認めず、膵外病変については硬化性唾液腺炎のみ有意差を認めた(P<0.05)。2)ステロイド治療施行36例(投与期間中央値9ヶ月、観察期間中央値32.5ヶ月)における再燃は13例(36.1%)であり、ステロイド開始から再燃までの期間の中央値は12ヶ月であった。初回ステロイド未治療12例(観察期間中央値51.5ヶ月)における再燃は3例(25.0%)であり、再燃までの期間中央値は12ヶ月であった。ステロイドの有無による再燃率の差は認めなかった。再燃時期は投与中3例(23.1%)、中止後10例(76.9%)であった。寛解が得られた後にステロイドを中止した30例(投与期間中央値9ヶ月)における中止時期からの再燃率は、無治療12例との間に差を認めなかった。【結論】再燃は硬化性唾液腺炎合併例に多かった。再燃はステロイド中止後に多い傾向にあり、投与中の再燃抑制効果は期待できると考えられるが、中央値9ヶ月のステロイド投与では中止後の再燃予防効果は確認できず、今後ステロイドの至適投与方法の検討が必要と考えられた。 |
索引用語 | 自己免疫性膵炎, ステロイド |