セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
膵臓-自己免疫性膵炎
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タイトル |
消P-528:自己免疫性膵炎ステロイド治療例における再燃予測の検討
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演者 |
辰巳 明久(山梨大・1内科) |
共同演者 |
高野 伸一(山梨大・1内科), 深澤 光晴(山梨大・1内科), 門倉 信(山梨大・1内科), 進藤 浩子(山梨大・1内科), 高橋 英(山梨大・1内科), 佐藤 公(山梨大・1内科), 榎本 信幸(山梨大・1内科) |
抄録 |
【背景と目的】自己免疫性膵炎(以下AIP)の治療としてステロイド治療がおこなわれ、その再燃率は5.6-62.5%と報告されている。再燃の危険因子としていくつか報告がされているが、さらに検討されるべき事項である。今回AIP再燃の危険因子同定を目的とし検討した。【方法】1998年7月から2011年3月までに当科で診断したAIP22症例のうち、ステロイド治療を要し詳細の把握かつ1年以上の経過観察が可能であった初回治療例11例を対象とした。検討Iとして、対象症例の膵腫大の程度、膵外病変の有無、再燃の有無について検討した。検討IIとして、ステロイド減量速度、ステロイド維持量、治療前のIgG値とIgG4値、治療後のIgG最小値とIgG4最小値、治療前後のIgGおよびIgG4の減少率とステロイド再投与を要する再燃との関連について検討した。【結果】結果I:11例の平均年齢は67.2歳、M/F=5/6、10例で膵全体の腫大を呈し、1例で膵頭部の腫大を呈した。膵外病変は11例中9例で認め、主に唾液腺炎や胆管病変であった。11例のうち黄疸、膵炎、水腎症などの出現を伴うステロイド増量を必要とする再燃をきたしたのは4例(36.4%)であった。結果II:再燃の有無で各因子を比較すると、再燃のない症例/再燃例でステロイド10mgまでの減量期間は平均61.4日/50.0日、ステロイド5mgまでの減量期間は平均269.0日/113.0日、ステロイド維持量は平均3.5mg/1.5mg、治療前IgG値は2525.3/1497.0、治療後IgG最小値は1270.6/908.5、治療後IgG低下率(治療前に対する治療後最小値)は52.7%/63.1%、治療前IgG4値は871.5/298.7、治療後IgG4最小値は230.3/116.0、治療後IgG4低下率(治療前に対する治療後最小値)は23.1%/45.9%であった。【結論】ステロイド増量を要するAIP再燃に関与する因子としてPSL5mgまでの減量速度、維持量、IgG4値の治療後低下率が関連していることが示唆された。再燃率低下のためにはIgG4値をメルクマールとし、ステロイド維持量、投与速度を考慮すべきと考えられた。 |
索引用語 |
自己免疫性膵炎, 再燃 |