セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓-自己免疫性膵炎

タイトル 消P-530:

当院におけるIgG4関連疾患及び類縁疾患の検討

演者 稗田 信弘(大津赤十字病院・消化器科)
共同演者 曽我部 裕子(大津赤十字病院・消化器科), 財間 千景(大津赤十字病院・消化器科), 西田 吉宏(大津赤十字病院・消化器科), 水口 綾(大津赤十字病院・消化器科), 垣内 伸之(大津赤十字病院・消化器科), 松永 康寛(大津赤十字病院・消化器科), 安村 聡樹(大津赤十字病院・消化器科), 栗山 勝利(大津赤十字病院・消化器科), 日高 健太郎(大津赤十字病院・消化器科), 平本 秀二(大津赤十字病院・消化器科), 本庶 元(大津赤十字病院・消化器科), 長谷川 和範(大津赤十字病院・消化器科), 近藤 雅彦(大津赤十字病院・消化器科), 西川 浩史(大津赤十字病院・消化器科), 三宅 直樹(大津赤十字病院・消化器科), 河南 智晴(大津赤十字病院・消化器科), 牧石 徹也(大津赤十字病院・内科)
抄録 【目的】近年,多臓器におけるリンパ増殖を主体とする疾患において, その病態とIgG4との関連が指摘されIgG4関連疾患という疾患概念が提唱されている。診断基準では, 血清IgG4≧135mg/Lを示すとされているが, IgG4関連疾患の臨床像と酷似し, 血清IgG4<135mg/dLとなる症例がある. このような血清IgG4低値例と, いわゆるIgG4関連疾患との間の臨床的差異について検討する.【方法】2008年1月から2010年12月までに, 当院でIgG4関連疾患が疑われIgGサブクラスが測定された成人79症例のうち, IgG4関連疾患との関連が報告されている自己免疫性膵炎, 硬化性胆管炎, 硬化性唾液腺炎, 後腹膜線維症等と診断された計27症例について, 血清IgG4135mg/dLをカットオフとして高値群および低値群にわけ, 臨床背景の差異を検討した. 【成績】血清IgG4高値群(n=18, IgG4=641±817mg/dL;中央値 355mg/dL)と低値群(n=9,IgG4=59.7±32.6;中央値 60.9mg/dL)において, 自己免疫性膵炎はそれぞれ, 18例中14例(78%)vs.9例中6例(67%)でみられ, 以下, 硬化性唾液腺炎 18例中5例(28%)vs.9例中2例(22%)、後腹膜線維症 18例中5例(28%)vs.9例中1例(11%), 硬化性胆管炎 18例中4例(22%)vs.9例中2例(22%), 間質性腎炎 18例中3例(17%)vs.9例中1例(11%), 間質性肺炎 18例中3例(17%)vs.9例中1例(11%), 肝炎症性偽腫瘍 18例中1例(5.6%)vs.9例中1例(11%)で, 両群間で疾患の頻度に偏りはなかった. その他, 男女比(男性割合)も, 18例中16例(89%)vs.9例中8例(89%)と差を認めなかった. 一方, 診断時の年齢は71.4±7.13歳vs.62.8±12.2歳で低値群で有意に若かった(p=0.047).【結論】血清IgG4低値群は高値群と比較して診断時の年齢が若かったがそれ以外に差異は認められなかった. IgG4類縁疾患の病態メカニズム解明の端緒となる可能性がある。
索引用語 IgG4, 自己免疫膵炎