セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓-腫瘍1 |
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タイトル | 消P-535:膵癌における血中調節性T細胞を指標とした早期診断の可能性と理論的根拠 |
演者 | 池本 哲也(徳島大・外科) |
共同演者 | 島田 光生(徳島大・外科), 宇都宮 徹(徳島大・外科), 居村 暁(徳島大・外科), 森根 裕二(徳島大・外科), 森 大樹(徳島大・外科), 花岡 潤(徳島大・外科), 金本 真美(徳島大・外科), 岩橋 衆一(徳島大・外科), 斎藤 裕(徳島大・外科), 山田 眞一郎(徳島大・外科), 浅野間 理仁(徳島大・外科) |
抄録 | 【背景】我々は膵癌患者において末梢血中調節性T細胞(Treg)が臨床的病期と相関があることを報告してきた(Pancreas 2006)が、この機序は不明である。そこでIPMNおよび通常型膵管癌について、活性化Tregを誘導するとされるIndolamine 2,3-deoxygenase(IDO)を介した局所のTreg誘導、末梢血中Tregとの相関を解析し、新たな膵管癌のバイオマーカーとしての可能性とその機序につき検討した。【対象・方法】2005年から2009年に当科で切除されたIPMN13例(術後組織診断、IPMA:4例、IPMB: 3例、IPMC:6例)膵管癌症例10例。術前末梢血中Treg比率および切除組織のFoxp3およびIDO免疫化学染色、その他の臨床病理学的因子との比較検討を行った。【結果】<IPMN>末梢血中Treg比率は組織学的悪性度に従い、IPMA 1.6%、IPMB 2.2%、IPMC 6.0%と有意に上昇した(P<0.05)。切除組織中の平均Foxp3陽性細胞数/HPFは同様に有意に上昇(P<0.01)し、平均IDO陽性細胞数/HPFも有意に上昇していた(P<0.05)。<膵管癌>末梢血中Treg比率は臨床ステージと有意に相関した(P<0.05)。切除組織中の平均Foxp3陽性細胞数/HPFは末梢血Treg比率と有意に相関(P<0.01)し、平均IDO陽性細胞数/HPFも有意に上昇していた(P<0.05)。IPMCの末梢血中Treg比率および組織中IDO陽性細胞・Foxp3陽性細胞は膵管癌と同程度に上昇していた。【結語】IPMN悪性度および膵癌の臨床的病期を末梢血Treg比率が反映するのは腫瘍局所でIDOがFoxp3陽性Tregを誘導する機序が考えられた。IPMNは前癌モデルとして重要であり、これらの結果は末梢血中Treg比率が膵癌の早期診断としての鋭敏なバイオマーカーである可能性が示唆された。 |
索引用語 | 膵管癌, IDO |