セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓-腫瘍2 |
---|---|
タイトル | 消P-540:急性膵炎における膵癌の検討 |
演者 | 木村 勇斗(静岡県立総合病院・消化器内科) |
共同演者 | 菊山 正隆(静岡県立総合病院・消化器内科), 永倉 千紗子(静岡県立総合病院・消化器内科), 吉田 将雄(静岡県立総合病院・消化器内科), 上田 樹(静岡県立総合病院・消化器内科), 重友 美紀(静岡県立総合病院・消化器内科), 丸野 貴久(静岡県立総合病院・消化器内科), 黒上 貴史(静岡県立総合病院・消化器内科), 白根 尚文(静岡県立総合病院・消化器内科), 鈴木 直之(静岡県立総合病院・消化器内科), 萱原 隆久(静岡県立総合病院・消化器内科), 吉川 俊之(静岡県立総合病院・消化器内科), 松村 和宜(静岡県立総合病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】膵癌は早期診断が難しく予後不良とされる。また膵癌の高危険群や早期診断のために有用な検査はまだ十分確立されていない。今回我々は、急性膵炎における膵癌の関連性について検討し、膵癌の早期診断の一助とすることを試みた。【方法】2006年1月から2010年2月に急性膵炎で当院に入院した全ての症例で入院時にCTが施行された。初回入院時に腫瘤を認め膵癌と診断された症例では手術が施行され、CTで腫瘤以外の異常所見を認めた症例では約3~6ヶ月間隔でCTが施行された。そのfollow-upのCTで腫瘤を認めた症例では、さらにERCPによる精査が行われた。これら全ての急性膵炎症例のうち、最終的に膵癌と診断された症例について検討した。【成績】急性膵炎の症例は136例であり、最終的に5.9%の8例において膵癌と診断された。男性7例、女性1例で平均年齢は61.1歳(47~76)。そのうち3例は入院時に腫瘤を認め手術が施行された。その際の平均腫瘍径は32.0mm(23~48)で、UICCでの病期は2例がΙΙA期、1例がIIB期であった。また残り5例のうち4例で、腫瘤は認めないものの主膵管拡張や仮性嚢胞が指摘され、follow-upのCTで後に膵癌が疑われた。ERCPにより膵癌と診断され、4例全てで手術が施行された。平均腫瘍径は23.3mm(12~41)で、IA期とIIA期がそれぞれ2例ずつであった。残りの1例は、CTで異常所見を認めなかったためfolow-upがなされず、2年後に膵癌と診断されたがすでにIV期で手術適応はなかった。【結論】急性膵炎の患者を経過観察することで、比較的早期に膵癌の診断を可能にできることが示唆された。急性膵炎は膵癌の高危険群であり、特に膵管拡張を伴う症例では慎重な経過観察を必要とする。 |
索引用語 | 膵癌, 急性膵炎 |