セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓-腫瘍2 |
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タイトル | 消P-542:膵癌終末期臨床像の検討 |
演者 | 近藤 崇(国立国際医療研究センター・消化器科) |
共同演者 | 小島 康志(国立国際医療研究センター・消化器科), 小早川 雅男(国立国際医療研究センター・消化器科), 朝山 直樹(国立国際医療研究センター・消化器科), 忌部 航(国立国際医療研究センター・消化器科), 新倉 量太(国立国際医療研究センター・消化器科), 横田 悦子(国立国際医療研究センター・消化器科), 渡辺 一弘(国立国際医療研究センター・消化器科), 岸田 圭弘(国立国際医療研究センター・消化器科), 河野 真(国立国際医療研究センター・消化器科), 向井 俊太郎(国立国際医療研究センター・消化器科), 平野 千明(国立国際医療研究センター・消化器科), 後藤田 卓志(国立国際医療研究センター・消化器科) |
抄録 | 目的:膵癌の終末期は腫瘍の増悪により腹膜播種や肝不全などをきたし腫瘍死に至る他,合併症により死亡することが知られている.今回当科における膵癌患者の終末期臨床像を検討した. 方法:2006年1月から2010年3月までにCT検査で膵癌と診断し,切除適応がなかった49例のうち,死亡する3か月以内に施行したCT検査で終末期の病態が追跡可能な45症例を対象とした.死亡理由は,直接腫瘍が原因となった場合を原病死とし,原病死以外の原因や原病死に併せて死因となる病態がある場合は合併症死と分類し検討した.成績:男性21例,女性24例.年齢中央値72歳(44歳-94歳).初回診断時の腫瘍径中央値35mm(14mm-80mm),腫瘍占拠部位は頭部19例,体尾部26例,UICCによるステージはIIA:5例,IIB:2例,III:7例,IV:31例であった.化学療法を施行した症例は34例,胆道ドレナージ症例は18例であった.死亡理由は,原病死39例(87%),合併症死20例(44%)であった.原病死の病態としては,腹膜播種25例(56%),肝不全8例(18%),胸膜播種2例(4%),十二指腸閉塞6例(13%),十二指腸腫瘍出血4例(9%),十二指腸穿孔1例(2%)であり,合併症死の病態として胆管炎8例(18%),その他の感染症8例(18%),血栓塞栓症5例(11%)であった.原病死39例のうち15例(33%)に合併症死とする病態を認めた.合併症のみを死亡理由とする症例は6例(13%)で,血栓塞栓症3例,胆管炎2例,その他1例であった. 結論:膵癌の終末期では合併症もあるが,ほとんどが原病死あった.腹膜播種が主な病態で,肝不全,原発巣による十二指腸病変が死因となった. |
索引用語 | 膵癌, 終末期臨床像 |