セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓-腫瘍2 |
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タイトル | 消P-543:癌性腹水を伴う進行膵癌の検討 |
演者 | 高原 楠昊(東京大・消化器内科) |
共同演者 | 佐々木 隆(東京大・消化器内科), 伊佐山 浩通(東京大・消化器内科), 宮林 弘至(東京大・消化器内科), 水野 卓(東京大・消化器内科), 山本 恵介(東京大・消化器内科), 毛利 大(東京大・消化器内科), 川久保 和道(東京大・消化器内科), 木暮 宏史(東京大・消化器内科), 山本 夏代(東京大・消化器内科), 中井 陽介(東京大・消化器内科), 笹平 直樹(東京大・消化器内科), 平野 賢二(東京大・消化器内科), 多田 稔(東京大・消化器内科), 小池 和彦(東京大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】癌性腹水を伴う進行膵癌に対する効果的な治療法は確立されておらず、有効な治療法の開発が望まれている。そこで癌性腹水を伴う進行膵癌の実態について検討する。【方法】東京大学消化器内科にて2000年1月から2010年12月までに切除不能進行膵癌と診断された494例のうち、腹水細胞診にて癌性腹水が証明された73例を対象とし、その治療成績を後ろ向きに検討した。【結果】年齢中央値63(40-85)歳。男/女=41/32。PS 0/1/2/3-4=11/21/24/17。頭部/体部/尾部=23/31/19。肝転移/肺転移/リンパ節転移=32%/32%/71%。腹水量は、少量/中等量以上=26%/74%。腹水出現のタイミングは、診断時/1次治療後/2次治療以降/BSC経過中=21/29/19/4で、癌性腹水出現までの期間中央値は119日であった。全73例の生存期間中央値は47日であった。癌性腹水出現後60日以上生存し得た症例は41例(56.2%)であった。生存期間60日以上の症例の特徴について多変量解析を行うと、PS0-1が予後良好因子として抽出された。化学療法施行例では予後良好な傾向があった(p=0.06)。なお、化学療法を施行し得た21例(28.8%)の生存期間中央値は124日であった。【結論】癌性腹水を伴う進行膵癌の予後は極めて厳しく、化学療法を施行し得た症例の生存期間中央値も4カ月程度であった。従来の抗がん剤治療では治療成績に限界があるため、2カ月以上の生存が期待できるPS良好な症例を対象に、腹腔内化学療法など新たな治療法の開発が今後必要と考えられた。現在、癌性腹水を伴う進行膵癌に対するS-1+PTX経静脈・腹腔内併用療法の臨床試験を施行している。 |
索引用語 | 膵癌, 癌性腹水 |