セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓-腫瘍3 |
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タイトル | 消P-548:MCN、SCNの臨床的特徴 |
演者 | 芹川 正浩(広島大・消化器・代謝内科) |
共同演者 | 佐々木 民人(広島大・消化器・代謝内科), 小林 賢惣(広島大・消化器・代謝内科), 神垣 充宏(広島大・消化器・代謝内科), 南 智之(広島大・消化器・代謝内科), 行武 正伸(広島大・消化器・代謝内科), 岡崎 彰仁(広島大・消化器・代謝内科), 石垣 尚志(広島大・消化器・代謝内科), 石井 康隆(広島大・消化器・代謝内科), 小酒 慶一(広島大・消化器・代謝内科), 吉見 聡(広島大・消化器・代謝内科), 毛利 輝生(広島大・消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大・消化器・代謝内科) |
抄録 | 【目的】過去10年間に当院で経験したMCN・SCN症例を対象として、その臨床病理学的特徴を明らかにすることを目的として検討を行った。【方法】 (1)手術例を対象として、臨床的特徴、悪性の頻度、予後に関して検討した。(2)経過観察例を対象として、観察期間中の症状発現の有無、腫瘍増大の有無を検討した。腫瘍の増大率は、観察期間(年)=n、初回検査時の腫瘍径(cm)=r1、増大時の腫瘍径=r2とした場合、n√(r2/r1)3として表した。【結果】手術が施行され、病理組織学的にMCNと診断された症例は12例(女性11、男性1)、平均年齢は52.5歳(34~69)、平均嚢胞径は66.2mm(22~120)だった。2例は妊娠を契機に増大し、そのうち1例は嚢胞が穿破していた。病理組織診断は腺腫が11例、非浸潤癌が1例だった。切除標本の見直しが可能であった9例のうちOTSを認めたのは7例で、男性例ではOTSは認めなかった。術後平均6.1年の経過で死亡例はなく、再発例もなかった。MCNの経過観察例2例では、平均観察期間4.2年で嚢胞の増大や形態変化は認めなかった。一方SCNは18例(女性17、男性1)、平均年齢は58.6歳(25~83)だった。SCNの手術例6例では、病理組織診断は腺腫が5例で、浸潤癌症例を1例認めた。このうち4例はMCNとの鑑別が困難であったmacrocystic typeの症例で、1例は経過観察中に嚢胞が増大し主膵管の狭窄を呈した症例だった。悪性の1例は下血を主訴に来院し、多発肝転移、大腸浸潤を認めた症例だった。術後平均5.9年の経過で、再発例、死亡例は認めなかった。SCNの経過観察例12例では、平均観察期間3.4年で症状の発現を認めた症例は2例あり、嚢胞の増大を認めた症例は10例だった。腫瘍の平均増大率は1.32倍/年だった。【結語】MCN症例での悪性例の頻度は必ずしも高くなく、適切な手術時期の再検討が必要と考えられた。またSCNの中には悪性例も存在し、また腫瘍増大に伴う有症状例も認めることから定期的な経過観察は必要であると考えられた。 |
索引用語 | MCN, SCN |