セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓-腫瘍5

タイトル 消P-558:

当科における高齢者切除不能膵癌に対する化学療法の検討

演者 桑原 健一(広島市立安佐市民病院・内科)
共同演者 田丸 弓弦(広島市立安佐市民病院・内科), 鳩岡 正浩(広島市立安佐市民病院・内科), 宮木 英輔(広島市立安佐市民病院・内科), 鴫田 賢次郎(広島市立安佐市民病院・内科), 上田 裕之(広島市立安佐市民病院・内科), 木村 茂(広島市立安佐市民病院・内科), 永田 信二(広島市立安佐市民病院・内視鏡科), 辻 恵二(広島市立安佐市民病院・内科DELIMITER広島市立安佐市民病院・内視鏡科), 大越 裕章(広島市立安佐市民病院・内視鏡科)
抄録 【目的】切除不能膵癌に対する標準的治療はGemcitabine(GEM)であり有意な生存期間の延長が得られているが、高齢者ではBest Supportive Care(BSC)が選択されることも多く化学療法の有効性や安全性についての報告は少ない。高齢者切除不能膵癌に対するGEMを用いた化学療法の有用性について検討した。【方法】2008年4月以降の切除不能膵癌症例47例のうち、first lineにGEMを含む化学療法を行ったものは27例であった。75歳以上8例(A群)、75歳未満19例(B群)およびBSCのみ選択された16例(C群)を対象とし、治療成績(CA19-9減少、腫瘍縮小)、生存期間および副作用について比較検討した。尚、GEMは1000mg/m2を週1回、3週投与1週休薬を1クールとするが、80歳以上ではGEM800mg/m2もしくは2週投与1週休薬にするなどの用量低減を行った。【結果】診断時の年齢はA群81歳(78-85歳)、B群64.5歳(49-71歳)、C群77.6歳(64-84歳)であった。男女比、腫瘍径、stageIVaIVb比は各群間で差を認めなかった。治療群(A、B群)でのPSは全例0-1であった。治療前のCA19-9の平均値は各々1162U/ml、5554.3U/ml、57367U/mlであった。治療群の成績ではCA19-9値の50%以上改善率はA群25%、B群63.6%であった。腫瘍縮小効果では治療経過中にPR判定得られたものはA群0%、B群22.7%であった。50%生存期間はA群257日、B群326日に対してC群61日で化学療法施行により有意に生存期間が延長した。有害事象はGrade2以上の好中球減少がA群25%、B群22.7%であった。【結語】高齢者切除不能膵癌におけるGEMを含めた化学療法の導入はPS良好であれば比較的安全に導入可能であり、非高齢者と同等の予後延長効果が期待できる可能性がある。
索引用語 膵癌, 化学療法