セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓-腫瘍5

タイトル 消P-559:

Stage4(UICC分類)切除不能膵臓癌に対するメシル酸ナファモスタット・塩酸ゲムシタビン療法

演者 宇和川 匡(東京慈恵会医大・肝胆膵外科DELIMITER東京慈恵会医大・腫瘍・血液内科)
共同演者 三澤 健之(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 兼平 卓(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 鈴木 文武(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 伊藤 隆介(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 後町 武志(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 柴 浩明(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 二川 康郎(東京慈恵会医大・肝胆膵外科), 貞岡 俊一(東京慈恵会医大附属病院・放射線科), 相羽 恵介(東京慈恵会医大・腫瘍・血液内科), 矢永 勝彦(東京慈恵会医大・肝胆膵外科)
抄録 【はじめに】膵臓癌に対して塩酸ゲムシタビン(GEM)誘導性NF-κB活性を抑制することでGEMに対する感受性が改善されることが報告されている。われわれは、メシル酸ナファモスタット(NM)のNF-kBインヒビターとしての薬効に注目し、切除不能膵臓癌に対してNM併用GEM療法を行ってきた。膵癌細胞のNF-κB活性を抑制するのに十分なNMの濃度を得るためにNMの投与は持続動注とした。【目的】切除不能膵臓癌のうちstag4(UICC分類)における本治療の治療効果を検討する。【対象と方法】2007年2月から2011年8月までに本臨床試験登録45例中stag4(UICC分類)30例を対象とした。遠隔転移部の内訳は、肝/肺/腹膜/遠隔リンパ節がそれぞれ20/3/5/4であった。治療に先立ち動注用リザーバーポート(カテーテルの先端が総肝動脈・側孔が腹腔動脈に位置)を留置。投与スケジュール:NMは持続動注(2.4-4.8mg/kg, 24時間)。GEMはNM持続動注開始1時間後より経静脈的投与(1,000mg/m2, 30分)。NM/GEMともに第1、8、15日投与を毎4週間反復。評価項目は、中間生存期間・1年生存率・病勢コントロール率・コスト。【結果】中間生存期間9か月、1年生存率30%、病勢コントロール率90%、NMの薬剤費用は1月あたり48,735円(体表面積 1.5m2、体重 約50kg 換算;1コース)であった。【結語】stag4(UICC分類)の切除不能膵臓癌に対する本治療は治療効果が期待でき、医療経済的にも他の塩酸ゲムシタビンとの高額な併用薬と比べで有利であると考える。
索引用語 膵臓がん, メシル酸ナファモスタット