セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓-腫瘍5

タイトル 消P-560:

切除不能膵がんに対するGEM / S-1 / GEM+S-1療法の有効性の比較検討

演者 工藤 寧(北野病院・消化器センター消化器内科)
共同演者 木村 典世(北野病院・消化器センター消化器内科), 牟田 優(北野病院・消化器センター消化器内科), 廣橋 研志郎(北野病院・消化器センター消化器内科), 西川 義浩(北野病院・消化器センター消化器内科), 佐久間 洋二朗(北野病院・消化器センター消化器内科), 渡辺 昌樹(北野病院・消化器センター消化器内科), 熊谷 奈苗(北野病院・消化器センター消化器内科), 小田 弥生(北野病院・消化器センター消化器内科), 加藤 洋子(北野病院・消化器センター消化器内科), 山内 淳嗣(北野病院・消化器センター消化器内科), 藤田 光一(北野病院・消化器センター消化器内科), 吉野 琢哉(北野病院・消化器センター消化器内科), 高 忠之(北野病院・消化器センター消化器内科), 大橋 真也(北野病院・消化器センター消化器内科), 浅田 全範(北野病院・消化器センター消化器内科), 福永 豊和(北野病院・消化器センター消化器内科), 川口 清隆(北野病院・消化器センター消化器内科), 八隅 秀二郎(北野病院・消化器センター消化器内科)
抄録 【目的】 切除不能膵がんに対する至適一次化学療法については、第3相無作為化比較試験(GEST試験)の結果報告が待たれる。切除不能膵がん患者では全身状態が不良である場合が多く、その薬剤の選択には迷うところが多い。当科において施行した切除不能膵がんに対する一次治療としてのGEM / S-1 / GEM+S-1療法について、その有効性の比較検討を行った。【対象と方法】 対象は2007年4月より2011年3月までに当科において切除不能膵がんと診断した75例のうち化学療法を導入した45例。患者背景は年齢中央値:67歳(52-78歳)、性別:男/女=21/24、PS:0/1/2=30/11/4。各治療法における患者背景、生存期間中央値(MST)、無増悪生存期間(Progression-free survival: PFS)、奏功率(RR)、Disease Control Rate(DCR)について後方視的に検討した。【結果】 45例中21例(46.7%)においてGEM療法、12例(26.7%)においてS-1療法、12例(26.7%)においてGEM+S-1療法が行われていた。化学療法を導入した全症例のMSTは 9.5ヶ月。各治療法のMSTはGEM群 12.3ヶ月、S-1群9.4 ヶ月、GEM+S-1群 9.5ヶ月であった。3群間においてMSTに有意差は認められなかった。全症例のPFSは4.3ヶ月、各治療法のPFSはGEM群 4.0ヶ月、S-1群 4.3ヶ月、GEM+S-1群 5.4ヶ月であり、3群間において有意差は認められなかった。奏功率(RR)については各群ともにCRとなった症例は無く、全例がPRであった。RRはGEM群 9.5% S-1群 8.3% GEM+S-1群 8.3%。さらに、DCRはGEM群 57.1% S-1群 50%  GEM+S-1群 58.3%であった。【結語】 GEM+S-1療法はGEM及びS-1単独療法に比較し、優越性は認められなかった。切除不能膵がんに対する化学療法としては、GEM及びS-1単独療法をより有効に組み合わせることが重要であると考えられる。
索引用語 切除不能膵がん, GEM S-1療法