セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓-IPMN1

タイトル 消P-561:

IPMNの検討

演者 宮川 宏之(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科))
共同演者 北川 翔(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科)), 長川 達哉(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科)), 平山 敦(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科)), 松永 隆裕(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科)), 岡村 圭也(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科)), 奥 大樹(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科)), 岡田 邦明(札幌厚生病院・外科), 村岡 俊二(札幌厚生病院・臨床病理科)
抄録 [目的]当院におけるIPMNの取り扱いや治療対象を検討する。[対象]2001年から2010年9月までにMRCPとCTによりIPMNと診断された例を対象とした。[方法]期間中所見用紙にIPMNの記載があったもの延べ2197回(717例)の画像検査を今回再読影し、他の嚢胞性膵腫瘍や小貯留嚢胞や軽微な膵管異常を除く570例の膵嚢胞例を検討対象とした。このうち386例が今回IPMNと診断された。これらの診断時の取り扱いと手術例における病理組織学的検討と経過例の検討を行った。[結果]IPMN386例中初診時手術されたものが42例(平均69.0歳:男28例、女14例)、6カ月以上経過観察していないものが38例であり、306例(平均66.5歳:男178例、女125例)が6カ月以上経過観察された。平均観察期間は1462日。画像経緯の検討では、全体で平均嚢胞径は長径で1.0mm/年、膵管径は0.16mm/年の増大を示した。このうち膵癌発生例はそれぞれ2.4mm/年、膵管径は1.0mm/年と変化が大きかった。これは膵癌発生時に急に大きくなるものも含まれている。IPMN由来癌の発生例が併存癌より変化が大きかった。単発か多発かでは違いは見られなかった。観察例のうち18例で経過中に手術が行われ、2例は腺腫であり16例は腺癌であった。4例が切除不能の浸潤癌の出現があり、癌発生例は平均観察期間1659日で率は6.5%であった。このうちIPMN非由来膵癌は7例で経過観察例の2.3%であった。IPMN例では経過の前後で35例(11.4%)に悪性腫瘍の出現があり高率に悪性疾患の発生が認められた。[まとめ]IPMN症例は膵癌の発生率は高く、IPMN由来のものが多かった。IPMN非由来併存膵癌の発生率は経過中に2.3%みられた。全体ではIPMNでは徐々に嚢胞径は増大する傾向があり変化の大きいものは治療の対象になると考えられる。
索引用語 IPMN, 膵癌