セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓-IPMN1

タイトル 消P-562:

当院において経過観察を行った分枝型IPMNの検討

演者 加藤 隆介(済生会吹田病院・消化器内科)
共同演者 水野 智恵美(済生会吹田病院・消化器内科), 社浦 幸恵(済生会吹田病院・消化器内科), 西脇 聖剛(済生会吹田病院・消化器内科), 堀元 隆二(済生会吹田病院・消化器内科), 大矢 寛久(済生会吹田病院・消化器内科), 天野 一郎(済生会吹田病院・消化器内科), 橋本 宏明(済生会吹田病院・消化器内科), 楳村 敦詩(済生会吹田病院・消化器内科), 天方 義郎(済生会吹田病院・消化器内科), 松本 淳子(済生会吹田病院・消化器内科), 田中 いずみ(済生会吹田病院・消化器内科), 澤井 直樹(済生会吹田病院・消化器内科), 水野 雅之(済生会吹田病院・消化器内科), 島 俊英(済生会吹田病院・消化器内科), 岡上 武(済生会吹田病院・消化器内科)
抄録 【目的】IPMN国際診療ガイドラインでは、壁在結節を認めず、主膵管径6mm以下、嚢胞径30mm以下の分枝型IPMNは悪性のリスクは低いとされている。今回、我々は画像検査を用いて経過観察しえた分枝型IPMNについて検討した。【方法】対象は2006年から2010年までに当院で経験した分枝型IPMN137例中、MRCPなどの画像検査により1年以上経過観察しえた分枝型IPMN67例で、平均年齢70.4歳(42~89)、男性35例、女性32例、平均観察期間32ヶ月。この中で主膵管拡張増悪、結節の出現または増大、嚢胞径の5mm以上の増大を進展と定義し、嚢胞径30mm以上12例、30mm未満55例につき、結節の有無を含めて進展の頻度を検討した。【成績】進展例は7例に認め、嚢胞径増大が4例、主膵管拡張が1例、主膵管径拡張、嚢胞径増大、結節増大を全て認めたものが2例であった。進展例と非進展例との比較検討では年齢、性別、CA19-9、糖尿病の有無については有意な差を認めなかったが主膵管径、嚢胞径に有意差を認めた。また、嚢胞径30mm以上と30mm未満で進展、非進展例を比較検討したところ、30mm以上で有意に進展例を多く認めた(p<0.05)。嚢胞径、結節の有無別に4群に分類すると、初診時の嚢胞径30mm未満・結節無し54例、30mm未満・結節あり1例、30mm以上・結節なし9例、30mm以上・結節あり3例であり、それぞれの進展率は5.6%(3/54)、0%(0/1)、22%(2/9)、67%(2/3)であった。嚢胞径30mm以上で結節を認め、進展した2例については、5年の経過観察の後に手術を行い、病理組織学的には非浸潤癌、微小浸潤癌であった。【結論】嚢胞径が30mm未満のIPMNでは進展のリスクは低いと考えられた。しかし嚢胞径30mm以上、特に初診時に主膵管拡張、結節を有する例では悪性のリスクもあり、手術を念頭に置いた厳重なフォローが必要であると考えられた。
索引用語 IPMN, 経過観察