セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓-その他

タイトル 消P-571:

慢性膵炎における小腸形態および機能変化と栄養状態に関する研究

演者 中村 陽介(名古屋大附属病院・光学医療診療部)
共同演者 廣岡 芳樹(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 伊藤 彰浩(名古屋大大学院・消化器内科学), 川嶋 啓揮(名古屋大大学院・消化器内科学), 大野 栄三郎(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 伊藤 裕也(名古屋大大学院・消化器内科学), 平松 武(名古屋大大学院・消化器内科学), 杉本 啓之(名古屋大大学院・消化器内科学), 鷲見 肇(名古屋大大学院・消化器内科学), 中村 正直(名古屋大大学院・消化器内科学), 宮原 良二(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 大宮 直木(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 後藤 秀実(名古屋大附属病院・光学医療診療部DELIMITER名古屋大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】膵小腸相関を検討するため、栄養障害を有する慢性膵炎患者の小腸形態および機能変化をカプセル内視鏡(CE)を用いて検討した。【対象】% usual body weight(%UBW:初診時体重(BW)/健常時体重(UBW))が95%以下、または%weight change(%WC:BW-UBW/UBW)が5% /月以上の栄養障害を認めた慢性膵炎8例を対象とした。内訳は男性6例、女性2例、平均年齢55.1±13.0歳。成因はアルコール性5例、特発性3例。代償期6例、非代償期2例、糖尿病あり3例、なし5例。経静脈栄養による介入が必要な重篤な低栄養患者は除外した。【方法】身体計測や通常の血算(白血球分画を含む)、生化学検査に加え、サイトカイン(IL-6、TNF-α、MCP-1)やアディポカイン(アディポネクチン、レジスチン)を測定した。次にGiven Imaging社のPillcam®SB2を用いてCE検査を行い、小腸粘膜の形態観察と小腸通過時間(SBTT)による小腸機能評価を行った。なおこの臨床試験は当院倫理委員会承認の研究計画に基づき施行した。【結果】盲腸到達率は100%(8/8)であった。小腸(カプセル)内視鏡所見では、びらん、潰瘍を3例、白色絨毛を3例、絨毛萎縮を6例に認めた。平均SBTTは304.5±112.3分であった。SBTTはレジスチン(r=0.776、p=0.040)と正の相関を認め、末梢血好酸球分画(%)と負の相関を認めた(r=-0.952、p<0.001)。【結論】栄養障害を有する慢性膵炎患者においては、絨毛萎縮などの小腸の形態学的変化が存在し、好酸球やレジスチンが、小腸機能に関与する可能性が示された。
索引用語 慢性膵炎, カプセル内視鏡