セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)膵臓-その他 |
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タイトル | 消P-572:慢性膵炎および切除不能進行膵癌に対する成分栄養療法の有用性について(近位小腸の形態変化検討も含めて) |
演者 | 中村 陽介(名古屋大附属病院・光学医療診療部) |
共同演者 | 廣岡 芳樹(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 伊藤 彰浩(名古屋大大学院・消化器内科学), 川嶋 啓揮(名古屋大大学院・消化器内科学), 大野 栄三郎(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 伊藤 裕也(名古屋大大学院・消化器内科学), 平松 武(名古屋大大学院・消化器内科学), 杉本 啓之(名古屋大大学院・消化器内科学), 鷲見 肇(名古屋大大学院・消化器内科学), 中村 正直(名古屋大大学院・消化器内科学), 宮原 良二(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 大宮 直木(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大附属病院・光学医療診療部DELIMITER名古屋大大学院・消化器内科学) |
抄録 | 【目的】栄養障害が予後に関連する慢性膵炎(CP)と切除不能進行膵癌(PC)で初診時栄養状態の評価を行い両疾患に対する成分栄養(ED)療法の有用性を検討した。【対象と方法】1) CP39例(男:女=30:9、alcohol:non-alcohol=28:11、代償期:非代償期=28:11)の栄養状態をBMI、体重変化量(WC:初診時体重-健常時体重(UBW))、%WC(WC/UBW)、アルブミン(Alb)、総リンパ球数(TLC)、ヘモグロビン(Hb)を用いて評価。次にエレンタール(味の素製薬)2包/日を投与し、週5日かつ12週以上内服継続した16例(ED群)とそれ以外23例(非ED群)に分け、投与前、12週後の栄養状態を評価し、ED療法の有用性を検討。2) PC35例(ED群:19例、非ED群:16例)でも同様の検討実施。3)CP8例でオリンパス社製小腸内視鏡のプロトタイプSIF-Y0002にて近位小腸を観察した。【結果】1)BMI18.5以下の低体重を28.2%(11例)に認め、%WCは-8.20±7.50%であった。ED群では12週後Alb、TLC、Hb値が前値より有意に上昇し、体重変化量(率)はED群vs.非ED群で3.14±2.22kg(6.58±5.15%) vs. -1.52±2.67kg(-2.51±4.29%)とED群では有意な体重増加を認めた(p<0.001)。2)PC35例の%WCは-8.1±6.0%で、12週後体重変化量(率)はED群vs.非ED群で-0.34±3.62kg(-0.93±6.70%) vs.-5.37±1.38kg(-10.25±2.88%)とED群では12週後の体重減少が有意に抑制された(p<0.001)。なお両群間で性別、BMI、進行度(Stage)において差はなかったが、年齢はED群において若年傾向であった。3)内視鏡所見では絨毛の軽度萎縮と十二指腸、空腸の白色絨毛を、病理組織学的には間質浮腫と絨毛の軽度萎縮、リンパ球、好酸球浸潤を認めた。【結論】CPとPCは高頻度に栄養障害を合併するため栄養介入が必要で、ED療法による体重安定化は両疾患の予後改善に寄与する可能性がある。 |
索引用語 | 膵癌, 栄養療法 |