セッション情報 一般演題

タイトル 230:

膵仮性嚢胞の2手術例

演者 清水 輝久(佐世保中央病院 外科)
共同演者 重政 有(佐世保中央病院 外科), 蒲原 涼太郎(佐世保中央病院 外科), 梶原 啓司(佐世保中央病院 外科), 碇 秀樹(佐世保中央病院 外科), 菅村 洋治(佐世保中央病院 外科), 國崎 忠臣(佐世保中央病院 外科), 村岡 徹(消化器科), 松村 雅人(消化器科), 米満 伸久(病理科)
抄録  膵仮性嚢胞は、急性膵炎発症から4週目ごろからみられるが、縮小・自然治癒傾向があるため、保存的治療がなされることが多い。しかし嚢胞内の出血や、嚢胞破裂、嚢胞膿瘍化等の合併症がみられたり、治癒傾向がない場合、手術適応となる。最近経験した膵仮性嚢胞手術例2例について報告する。症例1は、60歳女性。2000年3月から3ヶ月間重症急性膵炎で加療を受ける。その後膵仮性嚢胞みられたが、症状無く、外来にて経過観察されていた。2001年1月から食後肩痛が出現の為、3月中旬に入院。腹部CT上、仮性嚢胞のサイズは変化無かったが、有症状で手術適応となる。胃透視で後壁の圧排変形高度で、ERPでは膵管と嚢胞との交通はみられず。手術は、胃壁前壁を切開して、後壁を観察した後、穿刺にて嚢胞を確認。後壁と嚢胞壁を切開すると、嚢胞内には漿液成分と泥状物が存在。胃後壁を楔状に切除後、胃後壁と嚢胞壁を縫合し、5cm大の吻合口を有する膵嚢胞胃吻合術を施行。術後経過良好。症例2は46歳男性。既往歴:胆石症。生活歴:船員、毎日ビール350ml2本、酎ハイ2杯。現病歴:4~5年前からγGTPの高値を指摘されていて、7月10日ビール、カップラーメン、カツを摂取後心窩部痛高度となり、緊急入院。血清アミラーゼ570,尿アミラーゼ11203と異常高値で、腹部CTでgradeIVと判定され、重症膵炎の診断で加療開始。炎症消退後、食事開始したが腹痛出現で再度絶飲食とし、また膵周囲の仮性嚢胞のサイズが増大。早期社会復帰も考慮し、手術適応で9月7日手術施行。嚢胞前壁は硬かったが、後壁は柔らかく、すぐ内腔に到達。中には泥状物が存在し、可及的に掻爬し、内腔に大網充填しドレナージチューブを留置した。最後に胆嚢摘出術を追加し手術終了。術後経過良好。
索引用語 膵化性嚢胞, 手術