セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓-その他

タイトル 消P-573:

慢性膵炎患者に対する成分栄養剤投与の検討

演者 石原 武(千葉大大学院・腫瘍内科学)
共同演者 多田 素久(千葉大大学院・腫瘍内科学), 三方 林太郎(千葉大大学院・腫瘍内科学), 太和田 勝之(千葉大大学院・腫瘍内科学), 黒澤 浄(千葉大大学院・腫瘍内科学), 斎藤 将喜(千葉大大学院・腫瘍内科学), 田村 玲(千葉大大学院・腫瘍内科学), 東郷 聖子(千葉大大学院・腫瘍内科学), 杉山 晴俊(千葉大大学院・腫瘍内科学), 酒井 裕司(千葉大大学院・腫瘍内科学), 露口 利夫(千葉大大学院・腫瘍内科学), 横須賀 收(千葉大大学院・腫瘍内科学)
抄録 【目的】有症状の慢性膵炎患者に対し成分栄養剤の治療効果につき検討した。【方法】2009年3月より2010年12月まで、禁酒、脂肪制限にても膵炎症状(疼痛、腹部不快感)を有し加療が必要であった慢性膵炎15症例(男性11例、女性4例、平均年齢48.5歳)を対象とした。成因はアルコール性11例、特発性4例であった。いずれもintervention治療対象となる仮性膵嚢胞、膵液鬱滞所見を伴わず、成分栄養剤(エレンタール)投与禁忌に合致せず、informed consentの得られた症例である。成分栄養剤を1食あたり160g(600Cal/pack)、症状にあわせて1-2食/日で内服した。患者背景と成分栄養剤服薬状況、臨床データの推移、疼痛レベル(visual analog scale:VAS)を投与前、投与後1、2,4.8,12週間で評価した。有効性に関しては疼痛改善効果(著効、改善、やや改善、不変、悪化)と栄養改善効果(血中アルブミン)につき検討した。【成績】成分栄養剤を3ヶ月以上内服した症例は10例(67%)で、疼痛に関しては著効2例、改善4例、やや改善4例であった。膵酵素(血中アミラーゼ)はいずれも投与前よりも低減した。3ヶ月未満で中止となったのは5例(33%)で、中止理由は腹満感2例、下痢2例、血糖上昇1例であった。いずれも重篤な有害事象はみられなかった。栄養改善効果については有意な差は得られなかった。【結論】有症状の慢性膵炎に対し脂肪含有量の少ない成分栄養剤を食事中に内服することは疼痛改善に有効であった。
索引用語 慢性膵炎, 成分栄養剤