セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓-その他

タイトル 消P-575:

当院における膵管ステント迷入の検討

演者 山田 航希(沖縄県立中部病院・消化器内科)
共同演者 本部 卓也(沖縄県立中部病院・消化器内科), 吉田 幸生(沖縄県立中部病院・消化器内科), 知念 健司(沖縄県立中部病院・消化器内科), 久保田 富秋(沖縄県立中部病院・消化器内科), 新城 雅行(沖縄県立中部病院・消化器内科), 島袋 容司樹(沖縄県立中部病院・消化器内科), 篠浦 丞(沖縄県立中部病院・消化器内科), 菊地 馨(沖縄県立中部病院・消化器内科)
抄録 【背景・目的】膵液ドレナージや慢性膵炎の疼痛改善の治療として内視鏡的膵管ステント留置が一般的となっている。一方、留置に伴う合併症として膵炎や感染の他にステントの膵管への迷入が報告されている。今回、当院で経験した膵管ステントの迷入の内訳とその対処法について報告する。【方法】2003年4月から2011年3月まで当院で施行したERCP 1790例のうち膵管ステント留置した988例を後ろ向きに検討した。【結果】膵管ステント留置988例のうち膵管ステント迷入があったのは10例(1.0%)、男女比6:4、平均年齢71.8歳(中央値72)であり、ステント挿入理由はERCP後膵炎予防7例、慢性膵炎2例、乳頭部腫瘤1例であった。留置したステントはCook社Geenen型ストレート膵管ステント5Fr 8例、7Fr 2例。長さは3cm 8例、9cm 1例、12cm 1例であった。ステント迷入の原因として胆管の処置の際に迷入したものが4例、後日何らかの画像検査にて迷入が確認された例が6例であった。6例のうち回収前腹痛があった例が2例、回収前膵酵素の上昇を認めた例はなかった。回収方法はバルーンによる回収が9例(うち1例は把持鉗子と併用、1例はスネアと併用にて回収)と最も多く、バスケットによる回収は1例であり全例が内視鏡的に摘出可能であった。また回収に伴う合併症として1例で膵炎を認めた。【考察】膵管ステントは迷入していてもドレナージに問題がない場合は腹痛や膵酵素上昇をきたさない例も多く注意が必要である。またEST、EPBD、胆管ステント留置などの手技に伴って膵管ステントが迷入する例も多く、ステントが常に適切な位置にあるのを確認しつつ胆管の処置を行うべきであると考えられた。回収にはバルーンを中心として様々な道具を準備し、状況に応じて使い分ける必要があると思われた。
索引用語 膵管ステント, 迷入