セッション情報 |
一般演題
|
タイトル |
33:長細い縦走潰瘍を伴ったcollagenous colitisの1例
|
演者 |
久保倉 尚哉(九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学) |
共同演者 |
松本 主之(九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学), 矢田 親一朗(九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学), 梅野 淳嗣(九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学), 具嶋 正樹(九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学), 八尾 隆史(九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学), 飯田 三雄(九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学) |
抄録 |
症例は63歳女性.平成17年春より心窩部の不快感が出現するも放置.症状改善しないため、平成18年3月に当院受診.上部消化管内視鏡検査で逆流性食道炎と診断されプロトンポンプ阻害剤(lansoprazole 30mg/日)の内服を開始.症状改善を認めたため、lansoprazole 15mg/日への減量にて経過観察となった.同年4月頃より便秘傾向が改善し、5月中旬より血便を認めた.腹部所見、血算にて異常を認めず、CRP0.18mg/dlと軽度の炎症を認めるのみであった.6月2日に大腸内視鏡検査施行.盲腸から下行結腸にかけて血管透見像は消失し、下行結腸からS状結腸にかけて非連続性の白苔が付着した長い縦走潰瘍と縦走潰瘍瘢痕を数条認めた.また、直腸は血管透見像が消失した顆粒状粘膜を認めた.逆行性大腸X線造影検査にて、下行結腸からS状結腸に非連続性の長い線状の潰瘍および潰瘍瘢痕を数条認めた.病理組織学的検査にて、S状結腸の縦走潰瘍および潰瘍瘢痕の部位のみならず、血管透見像が消失した全大腸の表層上皮直下にHE染色にて好酸性、Masson’s trichrome染色にて青染される20mm程度の厚いcollagen bandを認めた.以上よりcollagenous colitisと診断.Collagenous colitisは、軽度の血管透見像消失が特徴的とされており内視鏡上診断が困難である.本例のように下血をきたし縦走潰瘍を伴った症例は稀であるため、文献的考察を加え報告する. |
索引用語 |
collagenous colitis, Masson’s trichrome染色 |