セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓-症例報告2

タイトル 消P-585:

経皮的腫瘍生検が診断に有用であった膵悪性リンパ腫の2例

演者 舛田 裕道(庄原赤十字病院・内科)
共同演者 益田 和彦(庄原赤十字病院・内科), 盛生 慶(庄原赤十字病院・内科), 盛生 玲央奈(庄原赤十字病院・内科), 谷口 真理(庄原赤十字病院・内科), 毛利 律生(庄原赤十字病院・内科), 沼田 義弘(庄原赤十字病院・内科), 山口 敏紀(庄原赤十字病院・内科), 服部 宜裕(庄原赤十字病院・内科), 鎌田 耕治(庄原赤十字病院・内科), 中島 浩一郎(庄原赤十字病院・内科)
抄録 【症例1】69歳、女性。強皮症・肺高血圧症で加療中。2008年8月腹部超音波検査で膵腫瘍を指摘され当科紹介。腹部造影CTで膵頭部に造影効果を伴う径35mm大の腫瘤を認めた。ERCP及びMRCPでは同部位膵管は圧排状狭窄を示すものの、膵管の狭窄後拡張はなく、膵液細胞診ではClassIIであった。膵管の変化が乏しいため腫瘤形成性膵炎疑いで経過観察となるが、腫瘤は徐々に増大。同年12月に閉塞性黄疸が出現し入院。画像上腫瘤は60mm大と急速に増大し総胆管・膵管の途絶を認めた。PTCDで減黄処置を行い、診断目的に経皮的腫瘍針生検を施行。病理組織学的に悪性リンパ腫(diffuse large B cell lymphoma)と診断した。総胆管狭窄に対しCovered Wallstentを留置後、化学療法目的に血液内科へ転院。化学療法を6コース行いCRに至っている。【症例2】71歳、女性。高血圧・右甲状腺腫瘍で加療中。2011年2月上腹部違和感を主訴に当科受診。閉塞性黄疸を呈しており入院。膵頭部に50mm大の腫瘤、体部・尾部にも30mm大の腫瘤を認めた。腹部超音波検査では辺縁は比較的平滑で境界明瞭な低エコーであり、造影CTでいずれも造影効果を伴っていた。MRI拡散強調画像では高信号を示した。ERCPでは腫瘤部位に一致した膵管の圧排性狭窄及び狭窄後拡張を認めた。膵液細胞診でClassVの結果を得たが、採血でLDHの増加やsIL-2Rの上昇を認めたことから、悪性リンパ腫の可能性も示唆された。ENBDチューブを留置し減黄を行い、確定診断目的に経皮的腫瘍生検施行。病理組織学的に悪性リンパ腫(diffuse large B cell lymphoma)と診断した。総胆管狭窄に対しERBDチューブを留置し血液内科へ転院。現在化学療法施行中である。【結語】膵悪性リンパ腫は画像診断では腫瘤形成性膵炎や膵癌との鑑別が困難なことも多い。本例では経皮的腫瘍生検が確定診断に有用であった。
索引用語 膵悪性リンパ腫, 診断