セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 72:腫瘍径が増大したため切除した巨大肝血管腫の1例 |
演者 | 龍 知記(国立病院機構九州医療センター 肝臓病センター肝胆膵外科) |
共同演者 | 高見 裕子(国立病院機構九州医療センター 肝臓病センター肝胆膵外科), 和田 幸之(国立病院機構九州医療センター 肝臓病センター肝胆膵外科), 日高 敦弘(国立病院機構九州医療センター 肝臓病センター肝胆膵外科), 西 秀博(国立病院機構九州医療センター 消化器内科), 武元 良祐(国立病院機構九州医療センター 消化器内科), 宮原 稔彦(国立病院機構九州医療センター 消化器内科), 福泉 公仁隆(国立病院機構九州医療センター 消化器内科), 原田 直彦(国立病院機構九州医療センター 消化器内科), 中牟田 誠(国立病院機構九州医療センター 消化器内科), 安森 弘太郎(国立病院機構九州医療センター 放射線科), 桃崎 征也(国立病院機構九州医療センター 病理), 上杉 憲子(国立病院機構九州医療センター 病理), 才津 秀樹(国立病院機構九州医療センター 肝臓病センター肝胆膵外科), 朔 元則(国立病院機構九州医療センター 肝臓病センター肝胆膵外科), 村中 光(国立病院機構九州医療センター 放射線科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究部), 植木 敏幸(国立病院機構九州医療センター 佐田病院) |
抄録 | 約10年間の経過観察で腫瘍径が2倍以上増大した肝血管腫を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。【症例】48才、女性【現病歴】約10年前、健診での腹部超音波検査(US)にて肝腫瘤を指摘され某病院紹介された。CT、MRIにて肝血管腫(6×4cm)と診断され、その後半年から1年に1回外来にてCT、MRIなどの各種画像診断にて経過観察されていた。ところが、最近肝血管腫が次第に増大してきたため平成18年3月28日当院を紹介された。【入院時検査成績】alb. 4.2、T.B 1.1、LDH 176、AST 16、ALT 11、γ-GTP 20、ALP 152、WBC 4.8、RBC 3.95、Hb 12.5、PLT 272、PT 85%、APTT 94%、ATIII 94%、FDP 5.2、DDダイマー 1.7、ICG 5.1%【入院後各種画像診断】CTでは肝左葉は腫大し、またS3を主座とし門脈臍部を右側に圧排しやや下方に突出する11×9.6cmの肝血管腫。MRIでもほぼ同様の所見で、悪性所見は認めなかった。以上の所見より典型的な肝血管腫ではあるものの、経過観察にて10年間で2倍以上増大しており、今後も同様に経過観察して、さらに大きくなった時点で手術したとすると侵襲が大きくなると判断し、7月26日手術を施行した。術中左肝動脈を露出し、これをブルドック鉗子にて止血した後、肝血管腫を愛護的に圧迫すると肝血管腫内に貯留していた血液が大循環に還流されたためか著明に縮小したことから、肝切除術式は予定していた肝左葉切除ではなく外側区域切除が可能となり、術中出血量も20ccと少なくてすんだ。なお、病理組織診断は海綿状血管腫であった。 |
索引用語 | 肝血管腫瘍, 肝良性腫瘍 |