セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓-症例報告3

タイトル 消P-591:

膵腫瘍との鑑別を要したサルコイドーシスの1例

演者 岩本 英孝(旭川医大・病態代謝内科)
共同演者 今澤 雅子(旭川医大・病態代謝内科), 松本 学也(旭川医大・病態代謝内科), 北野 陽平(旭川医大・病態代謝内科), 山北 圭介(旭川医大・病態代謝内科), 高橋 賢治(旭川医大・病態代謝内科), 高添 愛(旭川医大・病態代謝内科), 和田 佳緒利(旭川医大・病態代謝内科), 須藤 隆次(旭川医大・病態代謝内科), 玉木 陽穂(旭川医大・病態代謝内科), 岡田 充巧(旭川医大・病態代謝内科), 麻生 和信(旭川医大・病態代謝内科), 西山 英夫(国立旭川医療センター), 徳差 良彦(旭川医大病院・病理部), 三代川 斎之(旭川医大病院・病理部), 羽田 勝計(旭川医大・病態代謝内科)
抄録 【症例】平成20年8月頃より体重減少,倦怠感,嘔気等の症状あり近医で上部消化管内視鏡検査を施行したところ胃体部に潰瘍性病変あり生検の結果,肉芽腫性病変が認められ精査のため旭川医療センター紹介となった.前医の画像所見上,膵体部の腫瘍性病変が疑われたため当科紹介入院となった.上部消化管内視鏡検査で胃体上部小彎に潰瘍性病変と十二指腸球部前壁に陥凹性病変を認めた.超音波内視鏡検査では膵体部に径3.6cm,辺縁粗大結節状で内部びまん性に斑状高エコーを有する低エコー腫瘤が認められ,超音波内視鏡下穿刺吸引組織診(EUS-FNAB)を施行した.病理組織所見上,胃と十二指腸病変,膵体部腫瘤いずれも非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が認められた.また膵腫瘤に連続する形で膵背側に嚢胞性病変が認められた.ガリウムシンチでは膵体部腫瘤における強い集積があり,気管支肺胞洗浄検査ではCD4/CD8比の上昇が認められた.結核をはじめ他の肉芽腫性疾患は検査所見上,否定的であった.以上よりサルコイドーシスと診断,臨床症状は軽微でありステロイド等の治療適応はないと考え定期的な画像検査にてフォローする方針とした.【考察】サルコイドーシスが膵臓に発生する頻度は剖検例での検討で約1~5%とされている.報告例は少なく国内では現在まで7例,海外では32例であり多くは開腹手術にて診断が得られている.USでは内部不均一で不整形な低エコー腫瘤,CTでは造影効果の乏しい腫瘤を形成することが多いが画像診断のみでは膵癌との鑑別は困難であり病理組織学的検査が必要とされる.膵臓に発生したサルコイドーシスは報告例が少なくこれまでに統一した治療指針は示されていないが一般的に腹部病変では著明な自他覚症状を伴う場合等にステロイド全身投与の適応があるとされる.
索引用語 サルコイドーシス, 膵臓