セッション情報 一般演題

タイトル 241:

急性胆嚢炎に対するPTGBDとPTGBAの比較

演者 松尾 圭(長崎市立市民病院 外科)
共同演者 山之内 孝彰(長崎市立市民病院 外科), 赤司 有史(長崎市立市民病院 外科), 蒲原 行雄(長崎市立市民病院 外科), 井上 啓爾(長崎市立市民病院 外科), 小原 則博(長崎市立市民病院 外科), 前田 潤平(長崎市立市民病院 外科), 宮田 昭海(長崎市立市民病院 外科)
抄録 (背景)2005年9月に急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドラインが出版され、急性胆嚢炎の初期治療に対する治療方針が示されたが、初期治療としての胆嚢ドレナージについては経皮経肝胆嚢吸引穿刺法(PTGBA)もしくは経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD)の明確な選択基準は示されていない。(目的)胆嚢ドレナージ施行後に手術を施行した症例について、その手術に関連する諸因子をretrospectiveに解析し、今後の治療方針を検討する。(対象)過去6年間に本院にて胆嚢ドレナージ後に手術を施行された急性胆嚢炎症例33例(内訳:男性23例、女性10例、平均年齢66.7歳)(方法)PTGBAを施行したA群9例とPTGBDを施行したB群24例に分け、腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)完遂率、手術時間、手術の難易度(独自に5段階設定:癒着因子、壁肥厚因子、頚部処理因子、胆嚢床剥離因子を各々0点か1点で評価し加算した。)、術後入院期間、血液生化学検査データなどについて比較検討した。(結果)LC完遂率はA群83%(5/6), B群75%(12/16)、手術時間の平均はA群116.4分、B群127.8分、手術の難易度の平均はA群2.56点、B群2.71点であり、A群が容易に手術を進行できる傾向を認めたが、有意差は認めなかった。ドレナージ処置から手術までの平均期間はA群7.1日、B群13.3日と有意にA群が短かった(p<0.05)が、術後入院期間に差は認めなかった。また、術前の血清CRP(mg/dl)の平均値はA群9.6、B群17.3でB群が有意に高値を示し(p<0.05)、WBC数, ALP値についてもB群が高値である傾向を示した。(結語)緊急手術を施行しない急性胆嚢炎に対しては、まずPTGBAによるドレナージ処置を施行することで、より早期に安全な手術が施行できる。 
索引用語 胆嚢ドレナージ, 急性胆嚢炎