セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
膵臓-症例報告4
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タイトル |
消P-598:膵癌との鑑別に苦慮した腫瘤形成性膵炎の一例
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演者 |
井上 浩一(八尾市立病院・消化器内科) |
共同演者 |
藤田 実(八尾市立病院・消化器内科), 三好 晃平(八尾市立病院・消化器内科), 氣賀澤 斉史(八尾市立病院・消化器内科), 巽 理(八尾市立病院・消化器内科), 上田 高志(八尾市立病院・消化器内科), 福井 弘幸(八尾市立病院・消化器内科), 吉田 重幸(八尾市立病院・放射線科), 竹田 雅司(八尾市立病院・病理診断科) |
抄録 |
症例;70歳男性 主訴:褐色尿,黄疸 既往歴:なし 現病歴:2010年12月中旬から褐色尿、黄疸を認めた。12月下旬に当院受診。血液検査にて黄疸及び肝機能異常(T-Bil 5.2 g/dl D-Bil 4.4 g/dl AST 447 IU/l ALT 623 IU/l)を認め、精査加療目的にて同日入院となった。入院時現症:バイタルに異常を認めず。眼球結膜に黄染(+)、腹部異常所見認めず、血液検査:IgG 1273 mg/dl IgG-4 113.0 mg/dl IgM 38 mg/dl 抗核抗体<×40 抗抗SS-A,B抗体 陰性 CEA 1.0 ng/ml CA19-9 3 U/ml SPAN-1 15.0 U/ml DUPAN2 65U/ml 画像所見:腹部造影CT;膵頭部に径30mm大の境界不明瞭な腫瘤を認め、造影早期相で淡く造影された。同部において総胆管、主膵管の拡張を認めた。腹部MRI;腹部CTと同様の所見であった。腹部エコー:比較的境界明瞭な低エコー像をみとめた。Gaシンチ;膵頭部に集積を認めた。FDG-PET;膵頭部に一致してFDGの集積を認めた(SUV値5.20)。入院後経過:第3病日にERCP施行。膵内胆管、膵頭部膵管の狭窄を認め、体尾部主膵管の拡張を認めた。膵管狭窄強く細胞診は不可能であった。下部胆管に7Fr ×10cm Flexima plastic stentを留置した。stent留置後、速やかに黄疸は正常化した。膵癌の可能性も否定できなかったため、第16病日にEUS-FNA(19G Wilson Cook社製)施行した。病理結果では明らかな悪性細胞は認めず、慢性炎症細胞と均一な核をもつ上皮細胞を認めるのみであった。膵癌や自己免疫性膵炎の鑑別は困難であったために、患者に十分説明した上で第60病日からプレドニゾロン(0.5mg/kg)投与開始した。第74病日にFDG-PETにて膵頭部にはFDPの集積は著明に改善していた(SUV値2.08)。第80病日腹部造影CTにて腫瘤はほぼ消失していた。考察:診断に苦慮した腫瘤形成性膵炎の一例を経験した。最近提唱されている2型自己免疫膵炎との関連性について若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 |
膵癌, 自己免疫性膵炎 |