セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓-症例報告5

タイトル 消P-600:

膵嚢胞破裂を契機に見つかったIntraductal papillary-mucinous carcinoma(IPMN)の一例

演者 良原 丈夫(済生会千里病院・消化器内科)
共同演者 奥田 偉秀(済生会千里病院・消化器内科), 山口 大輔(済生会千里病院・消化器内科), 水野 龍義(済生会千里病院・消化器内科), 有光 晶子(済生会千里病院・消化器内科), 後藤 靖和(済生会千里病院・消化器内科), 堀本 雅祥(済生会千里病院・消化器内科), 鈴木 都男(済生会千里病院・消化器内科), 福永 浩紀(済生会千里病院・外科), 遠藤 和喜雄(済生会千里病院・外科), 伊藤 裕介(済生会千里病院・救命救急センター), 小島 史好(済生会千里病院・病理診断科)
抄録 【症例】72歳男性【既往歴】2000年に胆嚢摘出術【経過】2010年6月に左側腹部痛が出現し、腹部CTにて膵尾部に7cm大の嚢胞と嚢胞内出血、肝表面・膀胱直腸窩に腹水を認め、膵嚢胞破裂・汎発性腹膜炎の疑いにて当院救命センターへ搬送となり、全身状態は安定したため当科へ転科と腹部MRIで単房性・7cm大の膵尾部嚢胞を認めた。膵管との交通は明らかでなく、嚢胞内に不整な壁肥厚を認めており、嚢胞内出血もしくは嚢胞性腫瘍が疑われた。造影CTでは膀胱直腸窩に腹水は認めるものの、造影剤の腹腔内への漏出は認めなかった。急性膵炎・腹部打撲の既往はなく仮性嚢胞は否定的で、CEA・CA19-9・DUPAN-2・SPAN-1といった腫瘍マーカーの上昇も認めなかった。ERCPでは膵管の拡張はなく、嚢胞と膵管の交通が疑われた。また問診にて患者が 3年前に5cm大の膵嚢胞が指摘されていた事が判明した。 膵嚢胞の径の増大傾向と破裂の疑いもあることから膵嚢胞摘出の適応と判断し、当院外科へ転科、膵嚢胞摘出術を施行した。腹腔内には嚢胞破裂によるものと思われる赤色の腹水を認めた。嚢胞は下行結腸・脾臓と癒着しており脾臓切除術・下行結腸切除術も行われた。嚢胞の内容はゼリー状であった。術後に大きな合併症なく経過し、同年8月に退院となった。病理診断はIntraductal papillary-mucinous carcinoma with adenoma of pancreas, pTis, pPCM(-), pDPM(-)であった。【考察】単房性膵尾部のIPMCであること、また嚢胞破裂で見つかる事は珍しく、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 IPMC, 破裂