セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

膵臓-症例報告5

タイトル 消P-604:

急性膵炎を契機に発見された膵管内管状乳頭腫瘍(Intraductal tubulopapillary neoplasm;ITPN)の1症例

演者 土井 顕(倉敷中央病院・消化器内科)
共同演者 石田 悦嗣(倉敷中央病院・消化器内科), 池田 博斉(倉敷中央病院・外科), 能登原 憲司(倉敷中央病院・病理検査科), 山本 博(倉敷中央病院・消化器内科)
抄録 症例は75歳男性。早朝に心窩部を締め付けるような痛みが出現したため当院救急外来を受診。狭心症発作を疑い精査されるも明らかな所見なく、採血検査で膵酵素上昇を、腹部CTで膵頭部から腹側に突出する腫瘍性病変、および膵の軽度腫大、周囲のdirty fat signを認めたため、膵腫瘍、急性膵炎として当科入院となった。年齢以外に急性膵炎重症度判定基準に該当する項目はなく、軽症急性膵炎と診断した。絶食とし補液、ナファモスタットメシル酸塩、ウリナスタチン投与にて軽快し、第4病日より食事も再開したが膵炎は再燃せず経過良好であった。膵炎の原因として、膵管の拡張も目立たず、胆道結石や膵頭部の腫瘤による閉塞性膵炎は否定的であった。また慢性膵炎の所見ではあったが、飲酒歴はなく、IgG4; 74.8mg/dlとIgG4関連疾患も否定的であった。膵頭部の腫瘤に関しては各種画像検査でも診断特定にいたらず、膵炎の軽快後EUS-FNABを施行した。組織学的所見よりadenocarcinomaと診断されたが、組織型の断定には至らず、腺房細胞癌やITPNが疑われた。膵頭部腫瘍に関して手術加療目的に外科紹介となり、膵頭十二指腸切除術を施行。術後経過は特に問題なく術後16日で退院となった。病理診断、免疫染色の結果、膵腫瘍はITPN、TisN0M0 stage 0と診断された。ITPNは、2010年に改訂されたWHO分類に初めて記載された腫瘍である。稀な腫瘍で臨床報告も少なく、今回WHO分類に記載されたことから今後症例が集積されることにより臨床病理像がより明らかになっていくものと期待される。今回我々は急性膵炎を契機に発見され、外科的切除の結果ITPNと判明した一症例を経験したので文献的考察を加えて報告する。
索引用語 膵管内管状乳頭腫瘍, 膵腫瘍