セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-基礎2

タイトル 消P-609:

C型慢性肝炎患者におけるトリプトファン代謝酵素(IDO)の活性亢進と病態への関与

演者 東谷 光庸(大阪大・消化器内科)
共同演者 考藤 達哉(大阪大・消化器内科), 黒田 将子(大阪大・消化器内科), 由雄 祥代(大阪大・消化器内科), 松原 徳周(大阪大・消化器内科), 垣田 成庸(大阪大・消化器内科), 宮崎 昌典(大阪大・消化器内科), 榊原 充(大阪大・消化器内科), 平松 直樹(大阪大・消化器内科), 笠原 彰紀(大阪大・消化器内科), 竹原 徹郎(大阪大・消化器内科), 林 紀夫(関西労災病院)
抄録 【目的】C型慢性肝炎の病態形成に、樹状細胞(DC)やT細胞など免疫細胞の機能異常が関与している。Indoleamine 2,3 dioxygenase(IDO)はTryptophan(Trp)をKynurenine(Kyn)に代謝する酵素で、炎症刺激によってDCに発現し、T細胞アポトーシス、制御性T細胞(Treg)誘導などを介して免疫寛容の成立に関与している。本研究では、C型慢性肝炎患者におけるIDOの意義、特にTreg誘導への関与を明らかにすることを目的とした。【方法】C型慢性肝炎患者49例(CH)と非感染者37例(HV)を対象とした。体内のIDO活性を評価するために、血清中Kyn、Trp濃度をHPLCにて測定。IDO活性とCH群の肝組織所見(A因子、F因子)や、末梢血Treg頻度との相関を検討した。次に、既報のごとく単球由来樹状細胞(MoDC)を誘導し、各種の炎症刺激によりIDOを誘導した。各MoDCのIDO活性(Kyn産生量)、Treg誘導能に関して両群で比較し、IDO特異的阻害剤(1-methyl-tryptophan、1MT)の添加による各項目の変化からIDO発現の意義について評価した。【結果】CH群における血中Kyn濃度はHV群より有意に高値で、A因子、F因子の進展につれてKyn濃度は上昇した。CH群において、血中Kyn濃度とTreg頻度の間に有意な正相関を認めたが、HV群では相関を認めなかった。両群ともMoDCにおいて、各炎症性刺激によりIDOが誘導され、LPS+IFN-γ刺激によるMoDCのIDO活性(Kyn産生量)は、CH群でHV群に比して有意に亢進していた。IDOを誘導した各群MoDCによって、CD4+ナイーブT細胞からTregが誘導された。LPS+IFN-γ刺激MoDCによるTreg誘導能は、CH群で有意に高値であった。また、共培養で誘導されたTreg頻度は、1MT添加により有意に減少した。【結語】C型慢性肝炎患者ではIDO活性が亢進しており、肝病変の進展に伴って活性は増強した。炎症刺激によりDCに誘導された機能的IDOが、Treg誘導に関与することが示唆された。
索引用語 制御性T細胞, トリプトファン代謝酵素