セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-診断(画像)1

タイトル 消P-614:

ソナゾイド造影超音波を用いた診断と治療の有用性

演者 佐藤 新平(杏雲堂病院・消化器肝臓内科)
共同演者 梶山 祐介(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 河井 敏宏(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 杉本 貴史(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 佐藤 隆久(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 菅田 美保(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 小尾 俊太郎(杏雲堂病院・消化器肝臓内科)
抄録 【目的】ソナゾイド造影超音波は非浸襲的で安全な薬剤であるが、施設間において使用頻度に著しく差があり、日常臨床にどれほど有用であるかは明らかでない。そこで、ソナゾイド造影超音波(US)とB-mode US、造影CTを比較し、以下6つの観点から造影超音波の有用性を検討した。更に、造影超音波下ラジオ波焼灼療法(Sonazoid RFA)の有用性と安全性につき検討した。【方法】2007年から2009年の2年間で、ソナゾイドUSが施行された106例の肝細胞癌(HCC)患者を対象とした。全例B-mode US、造影CT、ソナゾイドUSが施行された。B-mode USと比較してソナゾイドUSが優れていた割合、造影CTと比較してソナゾイドUSが優れていた割合を以下6項目の観点から検討した。1、腫瘍数の増加、2、腫瘍の進展、3、悪性度の推察、4、血流情報、5、診断能、6、治療効果判定。Sonazoid RFAはB-mode USで認識困難な場合や焼灼範囲を把握したい場合に対して施行された。超音波機器は東芝aplio。ソナゾイドは0.5ccを末梢静脈より注射した。【成績】B-mode USと比較してソナゾイドUSは106人中89人、85%がより有用と判定された。一方、造影CTと比較すると106人中49人、46%が有用と判定された。54%が同等と判定された。特に3、悪性度の推察、4、血流情報、6、治療効果判定の3項目において特に有用であった(87%)。Sonazoid RFAが施行された10例は全例安全に施行可能でありB-mode USで認識できないHCCの治療が可能であった。RFAの焼灼域の術中評価、効果判定、肝動脈塞栓療法後(10症例)、骨転移の放射線療法後(20症例)のviabilityの評価は全例(50例)評価可能で、残存部位の指摘が可能であった。【結論】ソナゾイドUSはB-mode USを施行した患者の84%、造影CTと比較しても46%の患者により有益な情報をもたらした。造影超音波下RFAは偶発症なく安全に施行可能であった。また治療後の効果判定にも有用であった。
索引用語 ソナゾイド, 肝細胞癌