セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-診断(画像)1

タイトル 消P-616:

神経内分泌癌の肝転移巣に対するCT画像の検討

演者 永倉 千紗子(静岡県立総合病院・消化器内科)
共同演者 菊山 正隆(静岡県立総合病院・消化器内科), 新井 一守(静岡県立総合病院・病理診断科), 吉田 将雄(静岡県立総合病院・消化器内科), 上田 樹(静岡県立総合病院・消化器内科), 奥野 真理(静岡県立総合病院・消化器内科), 重友 美紀(静岡県立総合病院・消化器内科), 山田 友世(静岡県立総合病院・消化器内科), 黒上 貴史(静岡県立総合病院・消化器内科), 白根 尚文(静岡県立総合病院・消化器内科), 鈴木 直之(静岡県立総合病院・消化器内科), 萱原 隆久(静岡県立総合病院・消化器内科), 鈴木 誠(静岡県立総合病院・病理診断科), 多久 佳成(静岡県立総合病院・腫瘍内科)
抄録 【背景】肝転移巣を伴う消化管原発性腫瘍の病理組織診断を行うことは、組織採取についての侵襲が少なく難しくはないことが多い。一方で、胆膵系悪性腫瘍では切除困難例とされ、病理組織の確認にある程度の侵襲ある検査を行わなければならず、これがなされないまま化学療法を開始される症例が経験される。しかし、原発巣のみならず病理組織学的診断は化学療法の薬剤選択に重要である。【対象・方法】病理組織学的な免疫染色で神経内分泌癌と診断された2例(胃癌2例)、小細胞癌と診断された2例(胆嚢癌2例)、およびNSE高値で臨床的に神経内分泌癌と診断された1例(直腸癌)の5例の転移性肝病変について、その画像所見を検討した。検討項目は個数・境界・形態、およびCT値である。【結果】いずれも複数個(3~15個)の肝転移巣を認めた。大きさにばらつきは少なく3-5cm。境界明瞭で円形。内部性状は均一か、中央部に円形の低吸収域を伴った。造影動態は早期より後期まで変化が少なく淡く造影された。均一な部分のCT値の平均は、病理組織的に神経内分泌癌あるいは小細胞癌と診断された症例において、造影早期相にて78HU、造影後期相にて73HUであった。NSE高値から神経内分泌癌と診断された低分化型腺癌ではそれぞれ42HU、38HUであった。【結語】肝転移巣に、画像的特徴として、境界明瞭・円形・早期相から後期相にまで淡く均一な造影様式・時に中央に円形に低吸収域、を確認した症例では、原発巣に関わらずに神経内分泌癌を疑い、可能であれば組織学的診断のもとに治療戦略を検討することが有用であると考える。
索引用語 神経内分泌癌, 画像診断