セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓-診断(画像)2 |
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タイトル | 消P-620:術前FDG-PETの原発性肝癌の悪性度判定における有用性に関する検討 |
演者 | 伊地知 秀樹(九州大大学院・消化器・総合外科学) |
共同演者 | 調 憲(九州大大学院・消化器・総合外科学), 武冨 紹信(九州大大学院・消化器・総合外科学), 吉住 朋晴(九州大大学院・消化器・総合外科学), 池上 徹(九州大大学院・消化器・総合外科学), 萱島 寛人(九州大大学院・消化器・総合外科学), 森田 和豊(九州大大学院・消化器・総合外科学), 戸島 剛男(九州大大学院・消化器・総合外科学), 間野 洋平(九州大大学院・消化器・総合外科学), 本村 貴志(九州大大学院・消化器・総合外科学), 武藤 純(九州大大学院・消化器・総合外科学), 的野 る美(九州大大学院・消化器・総合外科学), 吉屋 匠平(九州大大学院・消化器・総合外科学), 前原 喜彦(九州大大学院・消化器・総合外科学) |
抄録 | 【はじめに】FDG-PETはブドウ糖代謝の亢進した腫瘍を画像化することにより悪性腫瘍の診断を行う検査である。今回我々は、稀な組織型とされる肉腫様変化を伴う肝細胞癌や混合型肝癌を含む症例でFDG-PETの有用性を検討しえたので報告する。【対象・方法】対象はFDG-PETにて術前画像診断を行った原発性肝癌症例31例(2010年4月から2011年2月)36結節。男女比18:13、平均年齢65(46~87)歳、Child-Pugh分類A:B:C=21:6:4であり、肝切除21例、生体肝移植症例10例であった。検討対象病変36結節中、組織型は肝細胞癌:胆管細胞癌:混合型肝癌=32:2:2であり、肝細胞癌の分化型は高:中:低:未:肉腫様変化=4:23:2:1:2であった。FDG-PETを行い、standardized uptake value (SUV)最高値、術後病理組織診断、腫瘍径について比較検討した。【結果】肝細胞癌においては32結節中11結節(34%)にFDG集積亢進を認めた。その集積は分化度に相関しており、高分化型にFDG集積亢進はなく、中:低分化型の平均SUV最高値はそれぞれ4.3:6.4であった。未分化型のSUV最高値は26.2であり、また肉腫様変化を伴った2症例もそれぞれ14.1、25.0と亢進していた。この他、胆管細胞癌1例は13.5、混合型肝癌2例では11.98、9.91と著明に亢進していた。肝細胞癌症例では、最大腫瘍径はFDG集積亢進群が有意に大きく(62 vs. 19mm, P<0.01) (集積亢進群 vs. 集積非亢進群)、脈管侵襲も集積亢進群にて有意に高頻度であった(P<0.01)。【まとめ】肝細胞癌症例ではFDG集積亢進群にて有意に腫瘍径が大きく、脈管侵襲が高頻度であった。高悪性度を示すとされる(1)胆管細胞癌、(2)混合型、未分化型、肉腫様変化を伴う肝細胞癌ではSUV最高値9以上と著明に亢進しており、注意を要する。以上より、原発性肝癌の組織型診断および悪性度診断におけるFDG-PETの有用性が示唆された。 |
索引用語 | 原発性肝癌, PET |