セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
肝臓-B型肝炎
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タイトル |
消P-624:外来化学療法センターにおけるB型肝炎ウイルスキャリアに対する免疫抑制・化学療法の現状
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演者 |
西田 勉(大阪大・消化器内科) |
共同演者 |
林 義人(大阪大・消化器内科), 山田 拓哉(大阪大・消化器内科), 植村 彰夫(大阪大・消化器内科), 宮崎 昌典(大阪大・消化器内科), 藥師神 崇行(大阪大・消化器内科), 木曽 真一(大阪大・消化器内科), 筒井 秀作(大阪大・消化器内科), 平松 直樹(大阪大・消化器内科), 辻井 正彦(大阪大・消化器内科), 竹原 徹郎(大阪大・消化器内科) |
抄録 |
【背景】B型肝炎ウイルス(HBV)キャリアに免疫抑制・化学療法を施行した場合, HBVの再活性化により肝炎が発症することが知られている。しかし実際、外来化学療法の現場でのB型肝炎マーカーの測定や、再活性化の現状は不明である。【方法】当院外来化学療法センターにて2003年12月から2011年3月までの期間、2752人、のべ43088回の治療が行われている。このうちHBs抗原陽性率およびHBV再活性化率を調査した。【成績】2754人中46例(1.7%)のHBs抗原陽性患者を認め、治療回数中央値10回(1―210)であった。このうちガイドライン以降の治療例は19例であった。内訳は乳がん20例、消化管癌8例、血液腫瘍7例、肝胆膵癌7例、肺癌2例、腎癌1例、慢性関節リウマチ1例であった。B型肝炎マーカーの陽性、陰性、未測定はそれぞれ、HBc抗体(13,1,22)、HBs抗体(1,18,27)、HBe抗原(1,34,11)、HBe抗体(23,1,22)で、HBV-DNAウイルス量は2.1Log copies/ml未満、2.1以上、未測定はそれぞれ12、12、22例であった。ガイドライン導入前後でのHBc抗体、HBs抗体の測定率はそれぞれ22、42%および37、47%といずれも上昇していた。化療導入前より核酸アナログ投与例は15例(予防群)、未治療は31例(無治療群)であった。HBV再活性化定義をG3以上の肝酵素の上昇またはHBV-DNA 量1 log copy/ml以上の上昇とした。G3以上のALT、T.Bilの上昇を伴う肝炎発症を無治療群1/31例(3.2%、乳癌、FEC6 サイクル後)に認めたが、エンテカビル開始6週間後に肝機能酵素の正常化した。予防群で化療導入時HBV-DNA陰性であったが治療経過中に陽性化(HBV-DNA 3.9)を1/15例(6.7%)に認めたが肝炎発症は認めなかった。【結論】当院では化学療法は入院にて導入されている場合が多く、外来化学療法の現場での肝炎発症率は比較的低頻度であった。しかしHBc抗体, HBs抗体の測定率は低頻度であり、ガイドラインの啓蒙が必要と考えられた。 |
索引用語 |
B型肝炎再活性化, 化学療法 |