セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-C型肝炎1

タイトル 消P-628:

診療所におけるC型慢性肝炎に対するPegIFNα/Rib治療101例の検討―G1高ウイルス初回治療の高齢者―60 歳以上に注目して

演者 菅野 雅彦(すがの内科クリニック)
共同演者 松野 たか子(すがの内科クリニック), 永田 聖華(すがの内科クリニック)
抄録 【目的】Peg-IFN/Rib/テラプレビル3剤併用はSVR67-88%と高いが60歳以上では重度貧血が10倍高い。診療所では高齢者の治療相談も多く、3剤併用が難しい60歳以上に対するPegIFNα/rib治療の効果と副作用を検討。【対象と方法】H19年4月~22年12月に当院にてPegIFNαを導入した101例。高齢者は主にPegIFNα2a (M:29,F:40、58.1歳、HCV-RNA5.5logIU/ml, ALT 52.7IU/l, Plt 16.0万, Gr1:58, 2:7,不能4, Rib併用:52,再治療:19,β先行:29)、弱年者は主にPegIFNα2bを投与 (M:24,F:8、49.2歳、RNA6.1, ALT 74.7, Plt 17.7, Gr1:25, 2:6,不能1, 全例Rib,再治療:5,β先行:3)。副作用で全身倦怠 (F),脱毛(A),食指不振(L),うつ(D)は点数化(0-3)。【結果】 PegIFNα2bは60歳以上11例(M:8, F:3; 全例の37.9%)、ETR70%は若年者と同等、EVR40%(60歳未満57%)とSVR22%(62%)は劣る。副作用でF(60歳以上1.27, 未満0.67), A(0.73, 0.48), L(1.00, 0.71), D(1.00, 0.52)は強い。不眠,集中力低下,味覚障害,筋肉痛が多く、湿疹/掻痒感は少い。中止例なし。 PegIFNα2aは60歳以上43例(M:20, F:23; 62.3%)で再治療症例が多く65歳以上:ETR45%。初回併用治療32例のみでは、60歳以上:19(M:9, F:10),未満: 13(M:5, F:8); 両群にRNA, Hb, Pltの差なし。60歳以上もRVR16% (未満15%),EVR61% (62%),ETR73% (78%),SVR30% (25%)と若年者と同等。副作用はA(60歳以上0.84, 未満0.62), F(1.00, 0.69)は高齢が高く、L(0.63, 0.54),うつ(0.32, 0.46)は同等。湿疹/掻痒感(84.2%, 84.6%),口内炎(26.3, 30.7)は同等、味覚障害(52.6, 30.7),筋肉痛(31.6, 15.4),眼底出血は高齢に、不眠,集中力低下,労作時呼吸困難は若年に多い。中止は高齢2(11%;間質性肺炎,自己中断)。【結語】PegIFNα2a/rib治療は高齢者にても若年と同等の治療効果で、重度副作用の増加は認めず。3剤併用では副作用が懸念される60歳以上の症例に対し、IFNβ先行投与,rib漸増等の工夫により良好な効果が期待できると考えられた。
索引用語 C型慢性肝炎, 高齢者