セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-C型肝炎1

タイトル 消P-629:

高齢者(65歳以上)におけるpeginterferon・ribavirin治療

演者 柴田 英貴(長崎大病院・消化器内科)
共同演者 宮明 寿光(長崎大病院・消化器内科), 田浦 直太(長崎大病院・消化器内科), 市川 辰樹(長崎大病院・消化器内科), 中尾 一彦(長崎大病院・消化器内科)
抄録 【目的】わが国では高齢化に伴い、C型慢性肝炎患者も高齢化している. 高齢者ではインターフェロン治療の難治例が多いとされる. 今回本県の多施設においてpeginterferon・ribavirin治療を行った高齢者(65歳以上)を検討し、その特徴を明らかにした.
【方法】今回われわれの肝疾患研究会に登録したC型慢性患者の710症例のうち、peginterferon・ribavirinを投与し、治療効果判定可能であった520症例を検討対象とした. それらを非高齢者群 386例(65歳未満)、高齢者群 134例(65歳以上)に分類し、臨床病理学的因子や治療効果との関連を比較検討した.
【結果】高齢者の年齢分布は65~69歳105例、70歳以上29例であった. peginterferon・ribavirinの治療効果は非高齢者がSVRが60%(232例)であるのに対し、高齢者では49% (66例)と有意に低値であった (p=0.03). 血清型は1型では高齢者で有意にsustained virological response (SVR)は低値であった(非高齢者50% ; 高齢者33%, p=0.011)が血清型2型は両者に有意な違いは見られなかった(非高齢者 85% ; 高齢者 86%).また高齢者ではSVR例はnon-responder (NR)例に比較して男性例 (SVR: NR=56%:45%, p=0.013) が有意に多く、線維化が有意に軽度であった (SVR : NR=2.51±1.04 : 2.03±1.03,p=0.021) . その他の因子(年齢、AST、ALT、血小板、γGTP、炎症)にはSVR例とNR例で有意差は認めなかった.
【結論】高齢者では非高齢者に比較してpeginterferon・ribavirin治療は難治性であるが、血清型 2型の症例や男性例、線維化が進行していない症例ではSVRの可能性があり、考慮すべき治療であると考えられた.
索引用語 C型慢性肝炎, インターフェロン