セッション情報 一般演題

タイトル E20:

食道偽憩室症の2例

演者 酒井   靖子(岡山済生会総合病院)
共同演者 石山 修平(岡山済生会総合病院), 塩出  純二(岡山済生会総合病院), 吉岡  正雄(岡山済生会総合病院), 大家  昌源(岡山済生会総合病院), 藤原  明子(岡山済生会総合病院), 伊藤 守(岡山済生会総合病院), 水野 修(岡山済生会総合病院), 山本 久美子(岡山済生会総合病院), 村上 尚子(岡山済生会総合病院), 山本 和秀(岡山済生会総合病院), 糸島 達也(岡山済生会総合病院)
抄録  食道偽憩室症(esophageal intramural pseudodiverticulosis;以下EIPD)は真菌・細菌・逆流性食道炎などの慢性炎症により食道腺の頚部導管が圧迫閉塞され分泌物が停滞し、粘膜下層の導管の嚢状拡張が生じたもので、食道全長にわたり憩室様の突出を認める。報告数の少ない比較的稀な疾患とされている。レントゲン像では食道壁内に小さなカラーボタン様の憩室を多数認めるという特徴的所見を示す。症状としては無症状のものも多いが時に嚥下障害、食道狭窄感を呈することがある。今回我々はEIPDの2症例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 症例1は63歳女性。自覚症状は特になし。健康診断の胃透視にて胸部上部食道左側に数mm大のバリウム斑の集簇を認め、精査のため当院紹介となった。毎年健康診断で食道の異常を指摘されていたが放置していた。内視鏡所見としては門歯より20~29cmあたりに上皮の白濁と27cm付近に1mm程度の浅い陷凹を数ヶ所認めEIPDと診断した。陥凹は送気にて消失した。 症例2は55歳男性。主訴は1~2年続く嚥下障害で固形物の嚥下が引っ掛かるという自覚症状があった。心窩部痛あり他院受診、内視鏡検査にて食道カンジダ症とA2期の胃潰瘍を認めPPIにて心窩部痛は改善した。内視鏡検査時上部食道付近で異常な抵抗感があり、CTにて食道壁の肥厚を認めたため精査加療目的で当院紹介となった。当院での内視鏡検査にて食道全体に粘膜の白濁を認め食道カンジダ症と診断した。頚部~中部食道にかけて多数の小陷凹を認め、CTでは食道壁の肥厚は明らかでなく、壁内に小さなair像を認めたためEIPDと診断した。
索引用語 食道, 偽憩室