セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-C型肝炎2

タイトル 消P-634:

C型慢性肝炎患者のインターフェロン療法における掻痒感についての検討

演者 鈴木 一義(獨協医大越谷病院・消化器内科)
共同演者 鈴木 壱知(獨協医大越谷病院・消化器内科), 高田 洋(獨協医大越谷病院・消化器内科), 片山 裕視(獨協医大越谷病院・消化器内科), 國吉 徹(獨協医大越谷病院・消化器内科), 香川 景政(獨協医大越谷病院・消化器内科), 市川 団(獨協医大越谷病院・消化器内科), 安達 庄吾(獨協医大越谷病院・消化器内科), 斉藤 浩紀(獨協医大越谷病院・消化器内科), 須田 季晋(獨協医大越谷病院・消化器内科), 高橋 盛男(獨協医大越谷病院・消化器内視鏡センター), 玉野 正也(獨協医大越谷病院・消化器内科)
抄録 【目的】インターフェロン(IFN)療法の副作用に皮膚掻痒感があるがその頻度は不明である。一方、アトピー性皮膚炎においては血清TARC値が病勢を反映するが、TARC値とC型肝炎患者の掻痒感とを検討した報告は無い。今回我々は、C型肝炎患者における痒みの程度、TARC値とIFN療法との関連について検討を行った。【方法】C型慢性肝炎症例84例を対象とした。痒みの程度をVASスケールで評価し、同時に血清TARC値を測定した。これらとIFN投与の有無を比較し、IFN投与群ではRBV併用の有無、投与期間についても検討した。本研究は、獨協医科大学越谷病院生命倫理委員会の承認のもと、本人の同意を得て施行された。【成績】INF非投与群は19例、IFN投与群は65例であった。IFN投与群の内訳はINF単独群21例、INF+REB群44例であった。VAS値の平均は、IFN非投与群で1.0±1.3 cm、IFN投与群では2.9±2.7 cmであり、IFN投与群で有意に高値を呈した(p=0.0254)。TARC値の平均はIFN非投与群で159.4±68.0 pg/ml、IFN投与群で186.5±106.1 pg/mlであり、IFN投与群で高値を呈する傾向を認めたが、有意差は認めなかった。IFN投与期間とVAS値およびTARC値との間には相関を認めなかった。IFN投与群では、INF単独群とIFN+REB群のVAS値平均はそれぞれ1.27±1.81 cm、3.45±2.81 cmであり、IFN+REB群の方が有意に高値を呈した (p=0.0093)が TARC値は両群間に差を認めなかった。【結論】VASスケールによる評価では、C型肝炎患者ではIFN治療群で痒みの程度が強く、これはREB併用で増悪する。TARC値については症例数を重ねてさらなる検討を行うべきと思われた。
索引用語 C型慢性肝炎, 掻痒感