セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-C型肝炎2

タイトル 消P-635:

C型慢性肝炎に対するPegIFN+Ribavirin療法における成分栄養剤(エレンタール)の使用経験

演者 松本 伸行(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科)
共同演者 岡本 賢(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 池田 裕喜(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 高橋 秀明(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 松永 光太郎(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 奥瀬 千晃(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 鈴木 通博(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科), 伊東 文生(聖マリアンナ医大・消化器・肝臓内科)
抄録 【背景】C型慢性肝炎に対するPegIFN+Ribavirin(PegRiba)療法では多くの症例で体重減少を認め、我々は過去にPegRiba療法50例の検討において、食欲減退(64.3%)、味覚異常(51.8%)、嘔気嘔吐(42.2%)などの消化器症状を高頻度にきたす事を報告している。【目的】PegRiba療法中に体重減少を来したC型慢性肝炎症例おける成分栄養剤投与による治療継続の可能性を検討する。【対象】2010年1月より2011年2月までに当院でPegRiba療法を施行され、食欲減退、体重減少を来した5症例【結果】症例1:39歳男性:SG2高virus量、治療8週で約3kgの体重減少を認めたが、成分栄養剤投与後、体重は約2kg改善し24週投与を完遂した。症例2:70歳女性、SG1高virus量:治療10週で3kgの体重減少を認めたが、48週目まで維持されていた。しかし52週になり3kgのさらなる体重減少と味覚異常が出現したため、成分栄養剤を投与し、体重維持と計72週の延長治療完遂が可能であった。症例3:63歳女性:SG2高virus量、治療7週目には食欲減退と4.6kgの体重減少を認め、成分栄養剤を開始した。体重は最大2.1kg改善したが、関節リウマチの悪化を認め22週で治療中断となった。症例4:49歳女性:SG1高virus量、治療24週には2.3kgの体重減少を認めた。成分栄養剤投与後も食欲減退が強く体重減少が続いた。症例5:72歳男性:SG1高virus量、食欲減退を強く認め、成分栄養剤を処方したが内服できず中止となった。体重減少は軽微で治療は継続可能であった。以上、C型慢性肝炎に対するPegRiba療法中に体重減少を認めた5症例に対し、成分栄養剤による栄養療法を施行した。2例で体重の改善傾向を認め、1例で体重維持が可能であった。重篤な副作用は認められなかった。【結語】PegRiba中の体重減少例に対する成分栄養剤による栄養療法は、内服困難例も存在するが、手軽に行える治療であり、PegRiba治療継続の補助療法として考慮すべきと考えられた。
索引用語 C型肝炎, 栄養療法