セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-C型肝炎3

タイトル 消P-640:

C型慢性肝炎に対するペグインターフェロンα+リバビリン併用療法の期間延長投与による治療効果改善におけるIL28B、ITPA遺伝子多型の影響

演者 池田 房雄(岡山大・消化器・肝臓内科学)
共同演者 岩崎 良章(岡山大保健管理センター), 森藤 由記(岡山大・消化器・肝臓内科学), 安中 哲也(岡山大・消化器・肝臓内科学), 竹内 康人(岡山大・消化器・肝臓内科学), 三宅 康広(岡山大・消化器・肝臓内科学), 高木 章乃夫(岡山大・消化器・肝臓内科学), 高口 浩一(香川県立中央病院・内科), 荒木 康之(広島市民病院・内科), 山本 和秀(岡山大・消化器・肝臓内科学)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するペグインターフェロン(PEG-IFNα)とリバビリン併用療法では治療期間を延長することで治療効果改善が認められるが、関連因子の検討はまだ十分ではない。今回、IL28BやITPA遺伝子多型(SNP)の意義を含めて検討した。【方法】PEG-IFNαとリバビリン併用療法を導入し治療終了後24週以上経過した、1型高ウイルス量C型慢性肝炎185例を対象とした。48週標準投与例が123例、ウイルス消失時期が9週以降で52週以上の延長投与症例が65例。年齢57±10歳、男性96例(52%)、女性89例、IFN治療歴は有88例(48%)、無97例であった。IL28BのSNP(rs8099917)およびITPAのSNP(rs1127354)は同領域PCR増幅後direct sequence法により決定し、治療効果との関連を解析した。【成績】標準投与症例と延長投与症例でSVR率を比較すると、9週から12週でウイルス消失した症例では13/25(52%)から7/9(78%)と改善を認めたが、有意差は認めなかった。IL28B SNPは延長投与群でminor alleleが高頻度(P=0.03)だったが、ITPA SNPの頻度に有意差を認めなかった。リバビリン投与率は標準投与群と延長投与群のいずれにおいてもITPA minor alleleでやや高率であったが、有意差を認めなかった。尚、治療開始時の年齢、性別、AST値、Hb値、血小板数、HCVコアaa70のタイプの頻度に有意差を認めなかった。HCVRNA消失率はそれぞれ24週で68%、75%、48週で78%、78%で両群間に有意差を認めなかった。【結論】延長投与によりIL28B SNP minor alleleの症例においてもSVR率改善を認めた。ITPA SNPの違いでリバビリン投与率に明らかな差を認めなかった。ペグインターフェロンα+リバビリン併用療法おいて、IL28B SNPの解析は延長投与の必要性、治療前効果予測に有用である。
索引用語 C型慢性肝炎, ITPA