セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-C型肝炎3

タイトル 消P-641:

生体肝移植後HCV再感染例におけるIL28B遺伝子多型とIFN治療効果の検討

演者 柿木 嘉平太(金沢大附属病院・消化器内科)
共同演者 酒井 明人(金沢大附属病院・消化器内科), 野村 能元(金沢大附属病院・消化器内科), 荒井 邦明(金沢大附属病院・消化器内科), 加賀谷 尚史(金沢大附属病院・消化器内科), 山下 太郎(金沢大附属病院・消化器内科), 酒井 佳夫(金沢大附属病院・消化器内科), 山下 竜也(金沢大附属病院・消化器内科), 水腰 英四郎(金沢大附属病院・消化器内科), 本多 政夫(金沢大附属病院・消化器内科), 岡田 俊英(金沢大附属病院・消化器内科), 高村 博之(金沢大附属病院・肝胆膵・移植外科), 谷 卓(金沢大附属病院・肝胆膵・移植外科), 太田 哲生(金沢大附属病院・肝胆膵・移植外科), 金子 周一(金沢大附属病院・消化器内科)
抄録 【目的】近年,C型慢性肝炎に対するペグインターフェロン+リバビリン(Peg -IFN/RBV)併用療法の治療反応性とIL28B遺伝子多型の関連性が明らかとなり,IL28Bメジャーアレル型の患者ではSVR率が有意に高いことが示されている.今回,当科における生体肝移植後HCV再発症例におけるIL28B遺伝子多型およびPeg-IFN/RBV療法の治療成績について報告する.【方法】当院にてPeg-IFN/RBV療法を行った生体肝移植後C型肝炎症例は15例(当院生体肝移植13例,他院生体肝移植2例)であり,年齢49~60歳,男性11例,女性4例,HCV serotypeは全例Group 1であり,7例で肝細胞癌を合併(ミラノ内5例,外2例)していた.IL28B遺伝子多型はメジャーアレル型11例,マイナーアレル型4例であった.Peg-IFN/RBV療法は原則的にHCV-RNA陰性化後48週継続し,Peg-IFN終了後6カ月HCV-RNA持続陰性をSVRとした.【成績】15例中9例が48週以上の治療継続が可能であり,EVR 8例,SVR 6例,Peg-IFN/RBV療法後に再燃したが,Peg-IFN単剤での再治療でSVRが得られた症例が1例であった.また,HCC再発による中止が3例,副作用による中止が2例,NR 3例であった.メジャーアレル型患者11例でのEVR 72.7%(8/11),SVR 63.6%(7/11)とPeg-IFN/RBV治療に対する反応は良好であり,NR 0例,中止4例(肝細胞癌再発3例,副作用1例)であった.一方,マイナーアレル型患者4例ではEVR,SVRは認められず,NR 3例,中止 1例(副作用)であり,Peg-IFN/RBV治療への反応は不良であった.【結論】生体肝移植後HCV再感染に対するPeg-IFN/RBV療法の治療反応性とIL28B遺伝子多型との関連が認められ,メジャーアレル型患者での治療成績は良好であった.一方,マイナーアレル型患者での治療成績は不良であり,治療法の更なる改善が必要と考えられた.
索引用語 IL-28B, 肝移植