セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-C型肝炎3

タイトル 消P-642:

C型肝炎におけるPNPLA3遺伝子の遺伝子多型と病態・インターフェロン治療効果の検討

演者 森藤 由記(岡山大・消化器・肝臓内科学)
共同演者 池田 房雄(岡山大・消化器・肝臓内科学), 岩崎 良章(岡山大保健管理センター), 高口 浩一(香川県立中央病院・内科), 永野 拓也(香川県立中央病院・内科), 妹尾 知典(香川県立中央病院・内科), 馬場 伸介(香川県立中央病院・内科), 竹内 康人(岡山大・消化器・肝臓内科学), 安中 哲也(岡山大・消化器・肝臓内科学), 三宅 康広(岡山大・消化器・肝臓内科学), 高木 章乃夫(岡山大・消化器・肝臓内科学), 小橋 春彦(岡山大・消化器・肝臓内科学), 山本 和秀(岡山大・消化器・肝臓内科学)
抄録 【目的】肝臓における脂肪沈着に関連すると言われているPatatin-like phospholipase domain containing 3(PNPLA3)遺伝子とNAFLDにおける病態との関連が報告されている。C型肝炎においても、脂質代謝異常が病態に関係していることが報告されており、C型肝炎とPNPLA3遺伝子の遺伝子多型(SNP)との関連の検討も最近報告されつつあるが、未だ十分な検討がなされているとはいえない。今回我々は、C型肝炎において、PNPLA3遺伝子のSNPと、インターフェロン治療前の血液データや組織像、治療効果との関連について検討した。
【方法】ペグインターフェロン・リバビリン併用療法を受けたC型慢性肝炎患者151人(男性80人、女性71人)について検討した。PNPLA3遺伝子のSNP (rs738409)はダイレクトシークエンス法にて解析し、インターフェロン治療前の血液データ、肝組織の進展度、脂肪沈着や鉄沈着の程度、治療効果との関連を解析した。
【成績】PNPLA3遺伝子のSNPはMajor type(C/C)が54人(35.76%)、Minor type(G/C、G/G)が97人(64.24%)であった。性別、HCVセログループ、ウイルス量による頻度の差は認めなかった。また、インターフェロン治療前の血液データ(AST、ALT、γ-GT、T-cho)で明らかな相関を示すものはなかった。肝組織の進展度、脂肪沈着や鉄沈着の程度とも明らかな相関は認めなかった。インターフェロン治療効果としては、セログループ1型、2型に分けて、SVR、NVRとの相関を解析したが、明らかな相関は認めなかった。さらにIL28B遺伝子のSNPでサブグループ解析を行ったが、SVRやNVRとの相関は認めなかった。
【結論】今回の検討では、C型慢性肝炎症例において、PNPLA3遺伝子のSNP (rs738409)は、インターフェロン治療前の血液データや組織像、治療成績との明らかな関連は認めなかった。
索引用語 PNPLA3, C型慢性肝炎