セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-C型肝炎4

タイトル 消P-643:

PEG-IFNα(もしくはIFN)/RBV併用療法でSVRが得られなかったGenotype2型C型慢性肝炎に対するPEG-IFNα2a/RBV併用療法の有効性および安全性の検討(中間報告)

演者 八橋 弘(国立長崎医療センター・臨床研究センター)
共同演者 泉 並木(武蔵野赤十字病院・消化器科), 工藤 正俊(近畿大・消化器内科)
抄録 【目的】PEG-IFNα(もしくはIFN)/RBV併用療法でSVRが得られなかったC型慢性肝炎に対するPEG-IFNα2a/RBV併用療法の有効性及び安全性を確認する目的で実施されている製造販売後調査の中間成績を報告する。【方法】対象は、2010年6月から2011年2月までに当該調査に登録された634例中12週時までの経過が判明した187例で、そのうちGenotype2型47例(年齢62歳、前治療効果無効/再燃/不明:7/36/4)で検討を行った。【成績】HCVRNA陰性化率は4週時(RVR)57.4%(27/47)、8週時87.2%(41/47)、12週時89.4%(42/47)。RVR率は男性61.9%、女性52.0%、60歳未満52.4%、60歳以上61.5%、Genotype2a 54.5%、Genotype2b 60.0%。前治療と再治療のRVR率の比較では、無効例で0%(0/7)→71.4%(5/7)で、再燃例で15.2%(5/33)→54.5%(18/33)と再治療で高いRVR率であった。前治療PEG-IFNα2b/RBV24週間以上投与例でのRVR率は50.0%(10/20)で、再燃例47.4%(9/19)、無効例100%(1/1)と共に高いRVR率であった。12週までの有害事象発現率は53.2%(25/47)で、重篤な有害事象は 1例、中止例は2例であり、中止理由は1例が有害事象、1例が効果不十分であった。【結論】Genotype2型C型慢性肝炎症例に対するPEG-IFNα2a/RBV併用療法を用いた再治療では、前治療時の反応性、すなわち無効・再燃に関係なく高いRVR率であり、今後の治療継続でSVRが期待される。現時点でGenotype2型C型慢性肝炎に対する新薬開発、臨床試験は日本では実施されていないことから、本対象例に対する再治療は、現行のPEG-IFNα/RBV併用療法を工夫して実施しなければならない。再治療例に対する治療法の選択としてPEG-IFNα2a/RBV併用療法を考慮してよいと考えられた。
索引用語 C型肝炎, 再治療