セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-C型肝炎4

タイトル 消P-644:

当科における二重濾過血漿交換によるC型肝炎ウイルス除去療法症例の検討

演者 西野 隆平(公立羽咋病院・内科)
共同演者 池田 直樹(公立羽咋病院・内科), 鵜浦 雅志(公立羽咋病院・内科)
抄録 【目的】2008年4月に保険適用となった二重濾過血漿交換によるC型肝炎ウイルス除去療法(VRAD)は血中より直接ウイルスを除去する画期的な治療法であり、インターフェロン(IFN)との併用に有効性が認められているが、当初の報告ではIFN治療開始と同時に導入されている。当科のVRAD症例につき検討し、追加治療としての意義を含めて検討した。【方法】2008年1月より2010年12月までに当院でIFN治療を開始したserogroup1かつ高ウイルス量のC型慢性肝炎35例を、VRADを導入した8例(VRAD群)と施行していない27例(非VRAD群)に分類し、年齢、性別やIFN治療開始時及び終了時の臨床検査値、持続ウイルス陰性化(SVR)率などを後ろ向きに比較検討した。解析にはMann-Whitney U検定やカイ2乗検定を用い有意水準5%とした。更にVRAD群症例はその特徴を個別に検討した。解析は当院倫理規定に準拠した。【成績】2011年1月までに6ヶ月以上経過観察可能であったVRAD群3例、非VRAD群21例を検討したところ、年齢や性別、IFN治療開始時および終了時の臨床検査値、HCVRNAに有意差は認めなかった。SVR率はVRAD群で33.3%と非VRAD群61.9%に比べ有意ではないが低い傾向にあり(P=0.3478)、VRADが難治例に導入されたことを反映していると推察された。VRAD症例8例を個別に検討したところ、うち6例はIFN治療開始8週以降に追加治療として導入していた(9~32週後)。更にウイルス陰性化が得られた4例中3例はVRAD直前のHCVRNAが2LogIU/ml前後まで低下しており、ウイルス量減少が得られても陰性化到達が困難な症例に対する追加治療としてVRADが有効な可能性が示唆された。【結論】VRADはIFN治療途中であっても難治例と判明した場合には導入を検討すべき治療と考えられた。
索引用語 C型肝炎, VRAD