セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-NASH/NAFLD1

タイトル 消P-649:

p59fynは、MCD飼料によるNASHモデルの進展過程に関与する

演者 福西 新弥(大阪医大・2内科)
共同演者 山口 敏史(大阪医大・2内科), 中 悠(大阪医大・2内科), 中村 憲(大阪医大・2内科), 横濱 桂介(大阪医大・2内科), 土本 雄亮(大阪医大・2内科), 朝井 章(大阪医大・2内科), 福井 秀雄(大阪医大・2内科), 津田 泰宏(大阪医大・2内科), 宮地 克彦(大阪医大・2内科), 福田 彰(大阪医大・2内科), 樋口 和秀(大阪医大・2内科)
抄録 【目的】p59fyn (Fyn) は、src-familyに属するタンパクキナーゼの1つであり、Fynの欠損した(Fyn-/-)マウスでは、通常飼料の摂取によって肝内の中性脂肪濃度及び遊離脂肪酸濃度が低下していることが報告されている。一方、げっ歯類にメチオニン・コリン欠乏(MCD)飼料を摂取させると、肝内の中性脂肪濃度が上昇し、組織学的に非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を呈することが報告されている。今回、われわれはFyn-/-マウスにMCD飼料を摂取させ、コントロールマウスに生じるようなNASHの組織像を呈するかどうかを検討し、その変化にFynが関与しているかどうかを検討した。【方法】8週齢の雄性Fyn-/-マウス(n=5)とコントロールマウスであるC57BL/6J Fyn+/+ (Fyn+/+)マウス(n=5)にMCD飼料と対照飼料を各々12週間摂取させた。期間終了後、麻酔下にて各群のマウスから血液及び肝臓のサンプルを採取した。【成績】Fyn+/+マウスの肝臓では、線維化を伴ったNASHの組織所見を認めたが、Fyn-/-マウスの肝臓では、明らかな炎症性変化や線維化形成を伴わない脂肪変性を認めた。Fyn-/-マウスの肝の中性脂肪濃度及び遊離脂肪酸濃度はFyn+/+マウスのそれらと比べて有意に上昇していた。また免疫学的に線維化に関連しているIL-18は、MCD飼料を摂取させたFyn-/-マウスでのみ測定感度以下に低下しており、組織所見と一致していた。【結論】FynがMCD飼料による脂肪性肝炎の進展過程での線維化に関連している可能性を示唆する。
索引用語 Fyn, NASH