セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓-NASH/NAFLD1 |
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タイトル | 消P-653:肥満・脂肪肝の栄養管理における体組成計とフリーラジカル測定器を用いた治療介入 |
演者 | 是永 匡紹(川崎医大附属病院・肝胆膵内科) |
共同演者 | 是永 圭子(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 鈴木 淑子(川崎医大附属病院・栄養部), 寺本 房子(川崎医大附属病院・栄養部), 佐々木 恭(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 中島 義博(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 多田 大和(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 河瀬 智哉(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 仁科 惣治(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 富山 恭行(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 吉岡 菜穂子(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 原 裕一(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 吉田 浩司(川崎医大附属病院・肝胆膵内科), 日野 啓輔(川崎医大附属病院・肝胆膵内科) |
抄録 | 【目的】非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の基本治療は栄養・運動療法であり、我々は、これまで体組成計・間接熱量計を用いることでNASH/NAFLD進行例を抽出できる可能性を報告した(日本消化器病学会雑誌 Vol.108.A189.2011)。一方、投薬を行わない栄養指導は脱落例も多く、治療意欲を高める工夫が重要である。今回、体組成計と栄養管理を組み合わせることの有用性を明らかにする目的で、2009年12月~2010年4月までに体組成計(In body 720)と栄養指導が施行された93例中、肥満・脂肪肝の改善目的であった62例(男/女:36/26)を対象とし以下の検討を行った。【方法】検討:1 In bodyで算出される内臓脂肪断面積(VFA)と同日にCTが施行された38例からfat Scanより解析された内臓脂肪面積との相関性 検討:2血清よりFREE carpe diemより測定された酸化ストレス度(dROM)・抗酸化能(BAP)とNAFLDとの相関性 検討:3 1-3ヶ月毎にIn bodyと栄養指導を行い8ヶ月以上経過観察可能であった30例(男/女:20/10年齢:男:48±2 女60±2)の体組成計とBAP/dROM(酸化ストレスに対する抗酸化能)の推移を解析した。【結果】in bodyによるVFAとfat Scanによる内臓脂肪面積は正の相関を認め(r=0.73,P<0.05)、栄養指導によりVFA低下が確認された8症例でも同様に内臓脂肪面積の改善が確認された。NASH/NAFLD症例で肝生検を施行された25例では Stage0/1に対してStage2/3では有意にBAP/dROMが低下していた(7.8±0.6vs6.2±0.2)。観察期間13±2月、In body測定は1.82月/回(のべ238回)を施行することで、最終観察時の体重減少率-6.2±2%、体脂肪減少率-11.8±4%と改善し、VFAも減少した。同時期にIn body・内服治療をせず、栄養指導のみで経過観察された18例と比較すると、脱落症例は有意に少なく(10%vs33%)、体重・体脂肪の減少率も高い傾向で、rebound症例が少なく、In body使用例でのBAP/dROMは観察前より有意に上昇した(7.5±0.6vs9.2±0.7)。[結論]In bodyを導入することで栄養指導効率が上昇し、さらに簡便な酸化ストレスマーカーを用いることで、NAFLD治療効果判定に容易にできる可能性が示唆された。 |
索引用語 | 脂肪肝, 栄養管理 |