セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
肝臓-NASH/NAFLD2
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タイトル |
消P-657:糖尿病医からみた,インスリン治療患者におけるNAFLD・NASH疑いの検討.
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演者 |
百木 忠久(大和市立病院・糖尿病・内分泌内科DELIMITER小田原市立病院・糖尿病内分泌内科) |
共同演者 |
河村 晴信(小田原市立病院・消化器科), 吉澤 繁(小田原市立病院・消化器科), 池内 哲(小田原市立病院・消化器科), 寺内 康夫(横浜市立大大学院・分子内分泌・糖尿病内科学) |
抄録 |
【目的】糖尿病患者死因のトップが肝癌で,NAFLD・NASHとの関連に関心が高い. NAFLD・NASH診断には肝生検が必須であるが,糖尿病医には困難である.ALT30以上・血小板15万以下・飲酒習慣無しをNASHの目安とし,インスリン治療患者における肝機能異常を検討した.【調査対象】インスリン強化療法を1年以上行った123例.男74名,女49名.年齢60.4±10.2歳,BMI23.4±3.3,HbA1c6.77±1.23.【結果】結果123例中HBsAg陽性5例,HCVAb陽性2例.残り116例中,ALT30以上かつ血小板15万以下は11例.うち2例は1日2合以上飲酒.残り9例中,3例に画像上脂肪肝.その内1例はHCCを発症.HBsAg陽性とHCVAb陽性を除いた116例全体では,血小板数の最小値とBMI・HOMA-IRの間に明らかな相関なし.NASH疑いの9例はBMI24.0±2.3,HbA1c6.09±0.74,HOMA-IR1.68±1.01,対体重インスリン量0.37±0.09u/kg.それ以外の107例はBMI23.4±3.4,HbA1c6.86±1.27,HOMA-IR2.39±2.81,対体重インスリン量0.54±0.22u/kgとBMI・HOMA-IR・対体重インスリン量に有意差なし.HCC発症例はBMI23.4,HbA1c6.1,HOMA-IR2.8,対体重インスリン量0.55u/kgでNASH疑い9症例のなかでHOMA-IR・対体重インスリン量は一番高値.画像で脂肪肝の1例はBMI28.0,HbA1c5.8,HOMA-IR1.4,対体重インスリン量0.40u/kg,もう1例はBMI25.4,HbA1c7.6,HOMA-IR1.6,対体重インスリン量0.45u/kg.【考察】NASH疑い有・無とした2群間で,BMI・HOMA-IR・対体重インスリン量に有意差なし.しかしHCC発症例は,インスリン必要量が多く,過剰栄養を多量のインスリンで治療した結果,NASHからHCCを発症した可能性が否定できない.HbA1cの改善で満足しない,適正な栄養量・適正な薬剤使用に留意した糖尿病管理が重要である. |
索引用語 |
糖尿病, NASH |