セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-腫瘍1

タイトル 消P-662:

再発肝癌治療への取り組み

演者 佐々木 滋(群馬大大学院・病態総合外科学)
共同演者 鈴木 秀樹(群馬大大学院・病態総合外科学), 新木 健一郎(群馬大大学院・病態総合外科学), 和田 渉(群馬大大学院・病態総合外科学), 小林 力(群馬大大学院・病態総合外科学), 久保 憲生(群馬大大学院・病態総合外科学), 渡辺 亮(群馬大大学院・病態総合外科学), 志村 龍男(群馬大大学院・病態総合外科学), 桑野 博行(群馬大大学院・病態総合外科学)
抄録 【はじめに】肝切除の安全性が向上し、いわゆるhigh volume centerではない施設においても安全に肝切除術を施行できるようになった。それに伴い、初回切除後の再発肝癌を治療する機会も増加しつつあり、一般の施設においても容易に施行し得る治療方法の確立が望まれている。【対象/方法】1996年4月から2009年9月に当科で初回治療を受けたHCC 110例を対象としretrospectiveに検討した。【結果】初回治療として75例(68.2%)に切除が選択され、35例(31.8%)は肝動注塞栓療法(TACE)など非切除の治療方法が選択された。切除例のうち、再発治療を施行したのは39例(52.0%)であった。その内訳は再切除6例、TACE 27例、ラジオ波凝固(RFA)5例、肝動注療法2例であった(重複あり)。再々発治療を施行したものは24例(61.5%)であり、最大14回までTACEを施行した症例を認めた。平均生存期間は約4.7年であった。また、3年生存率、5年生存率はそれぞれ88.3%、64.6%であった。非切除例のうち、再発治療を施行したのは22例(62.9%)であった。その内訳はTACE 20例、エタノール局注(PEIT)1例、ラジオ波凝固(RFA)2例、肝動注療法2例であった(重複あり)。【考察】われわれの施設での再発治療の方針としては、可能であれば再切除を基本とし、肝機能に応じて他の治療方法を選択している。再切除できた症例は6例(切除症例の8.0%、再発治療例の15.4%)のみであり、再発治療の多くはTACEを施行(66.7%)した(薬剤は主としてファルモルビシを使用)。TACEは初期には外科医が施行していたが、最近はIVR専門医に依頼している。IVR専門医の存在がTACEの多用と良好な3年・5年生存率をもたらしている一つの要因と考えられる。したがって、今後はますますIVR専門医・内科医との連携を深めて集学的な治療が必要であると考えられた。
索引用語 肝細胞癌, TACE