セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-腫瘍2

タイトル 消P-668:

RFAによる局所治療を行った超高齢肝癌症例の検討

演者 柴田 啓志(徳島県立中央病院・消化器内科)
共同演者 面家 敏宏(徳島県立中央病院・消化器内科), 浦田 真里(徳島県立中央病院・消化器内科), 北添 健一(徳島県立中央病院・消化器内科), 鈴木 康博(徳島県立中央病院・消化器内科), 中本 次郎(徳島県立中央病院・消化器内科), 青木 秀俊(徳島県立中央病院・消化器内科), 矢野 充保(徳島県立中央病院・消化器内科), 筒井 朱美(徳島市民病院・内科)
抄録 【目的】肝癌患者の高齢化に伴い高齢の肝癌症例を治療する機会が増加している。しかし、高齢者は他疾患の合併頻度が多く、RFAのような低侵襲的な治療でも術後合併症の増悪が予想されるがその十分な検討は行われていない。今回、我々は、RFAを施行した80歳以上の超高齢肝癌症例の合併症や術後経過について検討したので報告する。【対象】2009年1月より2010年12月までに、当科でRFAを施行した260例中で、80歳以上の41例、21人を対象とした。肝細胞癌34例、転移性肝癌7例、肝細胞癌症例の肝予備能は、Child-Pugh A 32例、B 2例であった。腫瘍最大径は8-60mm、腫瘍個数は平均1.3個、腫瘍stage1が11例2が19例、3が6例、4Aが1例、4Bが4例であった。【結果】1,合併症を有していた症例は34例(82.9%)で、その内訳は、高血圧24例、糖尿病16例、心疾患12例、脳梗塞後5例、認知症2例、狭心症や心筋梗塞後、脳梗塞後でアスピリンを内服している症例が8例、腎不全で維持透析を行っている症例が1例であった。(重複有り)2,a) RFAの目的は、根治治療が35例、mass reductionが6例であった。根治目的症例では35例中33例(94.3%)に十分な焼灼が得られた。b) 初回治療としてRFAを行った症例は7例、再発に対して治療を行った症例は34例.初回治療から再発までの期間は、4-162ヶ月(平均51.2ヶ月),この2年間に最大4回の治療を行った症例もあった。3,入院期間は、4-20日(平均7.1)、全症例の平均入院期間5日より長い傾向であった。4,術後の合併症は、37.5℃以上の発熱を11例、肝機能上昇を8例、術後せん妄を2例に認め、1例は入院前の頭部打撲による慢性硬膜下血腫であった。アスピリン内服者は、RFA 1週間前から中止したが、特に問題となる合併症は認めなかった。5,死亡は3人で初回治療より、95ヶ月後癌死、138ヶ月後癌死、43ヶ月後肝不全死であった。【結語】RFAは、高齢者においても比較的安全に行える局所治療であると考えられた。
索引用語 高齢者, RFA