セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-腫瘍2

タイトル 消P-670:

3cm未満の肝細胞癌に対するRFA単独治療とTACE先行RFA治療の比較検討

演者 野間 栄次郎(福岡大筑紫病院)
共同演者 植木 敏晴(福岡大筑紫病院), 光安 智子(福岡大筑紫病院), 川本 研一郎(福岡大筑紫病院), 大塚 雄一郎(福岡大筑紫病院), 馬場 崇徳(福岡大筑紫病院), 簑田 竜平(福岡大筑紫病院), 松井 敏幸(福岡大筑紫病院)
抄録 [目的]小型の肝細胞癌でRFA単独とTACE先行RFAの治療成績では、局所再発の頻度については差がないとする報告が多い。我々はRFA導入早期より腫瘍径が2cm以上の症例、肝表面に存在する症例、太い血管に接する症例に対して積極的にTACEを先行してきた.当科におけるRFA単独(単独群)とTACE先行RFA(先行群)の治療成績を比較検討した。[対象]2005年1月からRFA初回治療を施行した3cm未満の肝細胞癌で6ヶ月以上経過が観察できた70症例、98結節 RFAはRadionics社のCool Tip針を用いた。先行群ではリピオドールおよびゼラチンフォームを用いてTACE行い、約一週間後にRFA施行した。治療効果判定は造影CTにて腫瘍全体を含む壊死範囲が得られているものを治療終了とした。[結果]先行群49結節、単独群49結節で年齢、性差、背景肝疾患、肝予備能に有意差認めなかった。先行群のほうに多発性と(単発16例VS 33例;p=0.082)、腫瘍径が大きい傾向(1.7cm VS 1.5cm;p=0.0945)にあった。平均観察期間30±16ヶ月での局所再発率は全体で19.4%、1年目、2年目、3年目での局所再発率は単独群と先行群でそれぞれ4.3%、11.4%、20.0%と10.0%、22.2%、38.5%で有意差は認めなかった。局所再発に寄与する因子はロジスティック回帰分析による多変量解析ではT.bil(p=0.0028)が独立かつ有意な因子だった(p=0.028)他の肝予備能、腫瘍マーカー、腫瘍径、腫瘍が血管に接するなどでは有意差認めなかった。術前の画像診断で描出できず、血管造影で初めて描出もしくはTACE後のCTで腫瘤状にリピオドールの集積を認めた症例が4例( 6.5%)あった。[結語]小型のHCCに対するRFA治療において局所再発率を下げることを目的にTACEを先行させることは、意義が低いと考えられた。
索引用語 肝細胞癌, RFA