セッション情報 |
シンポジウム1(肝臓学会・消化器病学会合同)
分子標的治療の限界を超える新しい肝癌治療法の開発
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タイトル |
肝S1-8:Sorafenib Failureに対するIFN併用5FU動注・全身投与の成績
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演者 |
佐藤 新平(杏雲堂病院・消化器肝臓内科) |
共同演者 |
小尾 俊太郎(杏雲堂病院・消化器肝臓内科), 佐藤 隆久(杏雲堂病院・消化器肝臓内科) |
抄録 |
【目的】Sorafenib(SF)の奏効率は5%以内と極めて低率である。SF 導入後、病勢が進行した場合、2次治療として有用性を示した報告はない。一方、当院では2000年以降、Stage III、IV HCCに対してIFN併用5FU(IFN/5FU)動注療法もしくは全身投与を積極的に実施している。特に845例の動注療法の結果より奏効(CR+PR)率32%, 病勢制御(CR+PR+SD)率58%、MST8.8か月(Child A)であった。そこで、今回SF failuer(進行中止例、副作用中止例)に対して二次治療として、IFN/5FUの有効性を検討した。【方法】2008年から2011年の間にSF failuerの診断の元、当院でIFN/5FU肝動注、もしくは全身投与が施行された33例を対象とした。動注24例、全身投与9例であった。男性25人、女性8人、年齢70歳(24-79)、腫瘍径6.3cm(0-16)、腫瘍個数10個(2-30)、stage III7例、IVa7例、 IVb19例(58%)。VP陽性は15例(45%)であった。Child A26例、B7例。プロトコールは1コースは4週間、前半2週間はIFNと5FUの併用、後半2週間はIFNのみとした。効果判定はコース毎に腫瘍マーカー、少なくとも2コースに1回は画像評価を行った。治療効果はRECISTに準じた。【成績】治療効果はCR0、PR4(12%)、SD19(58%)、PD10(30%)例で奏効率は12%であった。病勢制御率は70%であった。L3分画の有意な低下は認めなかったが、中央値でAFPが1657→ 595、DCP5149→1914と有意に低下した。AFP、 DCPどちらかでも20%以上低下した症例は21例(66%)に認められた。IFN/5FU開始後のMSTは7.5か月。初発からの全生存MSTは5.2年であった。副作用脱落は1例もなかった。【結論】SF failuerにおいて、66%の症例に腫瘍マーカーの低下が認められた。奏効率はやや低値であったが、stage IVbが58%であったことを考慮すればMST7.5か月は従来のIFN/5FUの報告と遜色なく、2次治療としても有用であることが示唆された。 |
索引用語 |
HCC, Sorafenib |