セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

肝臓-腫瘍3

タイトル 消P-675:

肝切除例に対するFluorescense navigation systemは有用か?

演者 田中 貴之(長崎大大学院・移植・消化器外科学)
共同演者 江口 晋(長崎大大学院・移植・消化器外科学), 日高 匡章(長崎大大学院・移植・消化器外科学), 高槻 光寿(長崎大大学院・移植・消化器外科学), 曽山 明彦(長崎大大学院・移植・消化器外科学), 村岡 いづみ(長崎大大学院・移植・消化器外科学), 山口 泉(長崎大大学院・移植・消化器外科学), 原 貴信(長崎大大学院・移植・消化器外科学), 足立 智彦(長崎大大学院・移植・消化器外科学), 黒木 保(長崎大大学院・移植・消化器外科学), 兼松 隆之(長崎大大学院・移植・消化器外科学)
抄録 【背景と目的】術前Indocyanine green (ICG)投与によるFluorescence Navigation System (FNS)を活用した肝切除症例が報告されているが、我々は非代償性肝硬変におけるICG-FNS腫瘍局在検索では擬陽性が多いことを報告してきた。今回、我々は肝予備能が保たれている肝切除症例に焦点を絞りICG-FNSの腫瘍局在検索能について検討した。【対象と方法】2010年10月から2011年3月までの肝切除施行患者12例(肝細胞癌6例、転移性肝癌5例、肝内胆管癌1例)を対象とし、腫瘍発光パターン、肝表からの発光の有無、肝表からの深さ、腫瘍径との関連について検討した。ICG(0.5mg/kg)を術前日-2日前に投与し、摘出肝に対し20-30cmの距離から赤外線カメラPhoto Dynamic Eye-2(PDE-2:浜松ホトニクス社製)を照射し検討した。患者背景は、年齢:中央値63歳(61-90)、性別:男8、女4、12症例すべてChild A、ICGR15:11%(2-50)、アシアロシンチLHL15:0.914(0.83-0.936)であった。【結果】12例全例で術前画像での腫瘍部位以外に発光は認めなかった。しかし、うち4例では最終病理診断にてFNSにて指摘されない結節を認めた。発光した腫瘍径:25mm(10-50)、発光しなかった腫瘍径:22.5mm(7-58)、発光した腫瘍の肝表からの深さ:0mm(0-10)、発光しなかった腫瘍の肝表からの深さ:5.5mm(0-20)であった。切離断端での発光は認めず、組織学的にも陰性であった。【結論】FNSによるナビゲーション肝切除は、肝表から約5mm以上深部に存在する小さな腫瘍の存在を見落す可能性がある。
索引用語 ICG, FNS