セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)肝臓-腫瘍3 |
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タイトル | 消P-676:当科における非B非C型肝細胞癌切除例の検討 |
演者 | 落合 秀人(磐田市立総合病院・消化器外科) |
共同演者 | 村上 智洋(磐田市立総合病院・消化器外科), 片橋 一人(磐田市立総合病院・消化器外科), 神藤 修(磐田市立総合病院・消化器外科), 宇野 彰晋(磐田市立総合病院・消化器外科), 深澤 貴子(磐田市立総合病院・消化器外科), 松本 圭五(磐田市立総合病院・消化器外科), 鈴木 昌八(磐田市立総合病院・消化器外科), 齋田 康彦(磐田市立総合病院・消化器内科), 笹田 雄三(磐田市立総合病院・消化器内科), 住吉 信一(磐田市立総合病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的・対象】2004年1月から2010年12月の間に当科で切除した初発肝細胞癌70例中、HBs抗原またはHCV抗体陽性肝細胞癌(以下、BC群)は46例、それ以外(以下、N群)は24例(34.2%)であった。BC群とN群を以下の項目について比較し、N群の特徴について検討する。【比較項目】(1)年齢・性差、(2)術前の肝胆道系酵素異常の有無、(3)手術前の肝障害度、(4)腫瘍個数、(5)最大径、(6)組織型、(7)組織学的肝硬変の合併率、(8)他の悪性疾患の合併率、(9)糖尿病、高血圧、高脂血症の合併(10)BMI、(11)無再発生存率および全生存率。【結果】N群24例中、アルコール多飲が7例、HBc抗体陽性例が4例、AIHが3例、特定因子なしが10例であった。年齢は40-82歳、男女比は7:1と男性に多く、肝胆道系酵素の上昇は12例にみられた。腫瘍個数は22例が単発、最大径は10-145mm(中央値45mm)であった。組織型は高分化6例、中分化14例、低分化4例であり、1例に肉腫様変化が見られた。背景肝は肝硬変7例、慢性肝炎が11例で、6例が組織学的に正常肝と診断された。脂肪沈着の著明な症例が2例みられたが、NASHを疑う組織像は認めなかった。他の悪性疾患の合併は4例であり、糖尿病、高血圧、高脂血症の合併が15例にみられた。BMIの中央値は22.2であった。無再発3年生存率は44%、全3年生存率が87.5%であった。BC群との比較では、肝胆道系酵素異常の有無、最大径、無再発3年生存率、の3項目で有意差が認められた。また糖尿病の発症から発癌までの期間はN群のほうが短い傾向にあった。【考察】N群は肝胆道系酵素異常が少なく、発見時の腫瘍径が比較的大きいが、再発も少なかった。また今回の検討からはアルコール多飲や、糖尿病の発症後早期がハイリスクグループの候補として考えられ、これらのスクリーニングが、予後の改善につながる可能性があると考える。 |
索引用語 | 非B非C型肝細胞癌, スクリーニング |